三菱商事の平均年収が
ついに2000万円超に!

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2024【東京】」を作成した。対象は単体の従業員数が100人以上の上場企業とした。

従業員100人未満の会社は、少数の従業員で構成される持ち株会社などが多く、当該グループ企業の一般的な年収よりも高いケースがあるためである。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。

 はたして、どのような結果になったのか。早速、ランキングを見ていこう。

 1位はM&Aキャピタルパートナーズで、平均年収は2478万円だった。2位を大きく引き離す、驚異の高額年収だが、前年の平均年収(3161.3万円)から21.6%の大幅ダウンとなった。

 同社は中堅・中小企業をメインターゲットとしたM&A(企業、事業の合併・買収)の仲介、アドバイザリーやデータベース提供などで急成長している企業である。従業員は206人、平均年齢は32.4歳だ。全都道府県を対象区域に含めた『年収が高い会社ランキング2024』でも堂々の1位だ。

 今回、平均年収が大幅に下がった理由は、「業績が社員の給与に反映されやすい」という同社特有の事情によるものだ。年収の大半を個人の営業成績や業績に連動した賞与が占めているため、業績が良ければ、高年収につながる。

 2位は、大手総合商社の三菱商事だ。

年収が高い会社ランキング上位の常連で、平均年収は2091万円。従業員数は5421人、平均年齢は42.7歳だ。

 前回のランキングでも2位だったものの、平均年収1939.4万円だったが、ついに2000万円台となった。

 ちなみに高額年収で有名なキーエンス(大阪)の平均年収は2067.1万円で、三菱商事はそれを上回る平均年収となった。

 いずれにせよ、東京の会社で平均年収が2000万円を超えたのは、M&Aキャピタルパートナーズと三菱商事の2社のみとなった。

3位はヒューリックで1908万円
4位は三井物産で1899.9万円

 3位は旧富士銀行(現みずほ銀行)系の大手不動産ヒューリックで1908万円(従業員数222人、平均年齢38.6歳)だ。

 前回もランキング3位で、平均年収は1904.2万円から3.8万円の増加となった。

 同社は東京23区など都心部を中心にオフィスビルや商業施設などを保有し、不動産開発・賃貸事業などを営んでいる。

 4位も前回同様で、三井物産がランクイン。平均年収は1899.9万円(同5419人、同42.3歳)だった。

 5位は住友商事で平均年収は1758.8万円(同5020人、同43.1歳)。

 前回5位だったドリームインキュベータは28.2%減の1274.5万円で29位となった。

 今回のランキングトップ5のうち、総合商社が3社を占めた。

 5大商社の一社である伊藤忠商事(大阪)は今回のランキング対象ではないが、同社の平均年収は1753.6万円と、住友商事よりわずかに低い。

 なお、丸紅の平均年収は1654.7万円で7位だった。

 ランキング完全版では、6位以下の全1000社の順位と平均年収を掲載している。

 平均年収が1000万円を超えたのは91社。

 その内訳を業種別で見ると、最多は情報・通信で18社。

 次いで、サービス10社、卸売9社、不動産8社、建設7社、医薬品6社、海運と証券・商品先物が各5社、銀行と保険が各4社となった。

 詳しくはランキングをぜひ確認してみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)

編集部おすすめ