調査は、キーマンズネットが2013年7月25日~31日かけて実施。有効回答数は470。
飾りたい派「子どもの写真でやる気が出る」
まずは少数派となった15%の人たちの答えを紹介しよう。なるほどと感じるのは、子どもに見られていると思うと仕事に気合いが入るという意見だ。
「娘たちの写真を見たら、恥ずかしいマネはできないからきちんと仕事をします」(40代・男性)
「やはり、子どもは偉大だ。見ていると、やる気が起きる」(40代・男性)
「すでに10年以上前から写真を飾っています。現在机上に4枚置いています」(40代・男性)、「同じ会社の旦那の写真を飾ることはあり得ませんが、子どもの小さい頃の写真はずっと飾っています。でももうすぐ大学生になるので、そろそろやめようかなぁ」(40代・女性)というように、長年飾っている人もいた。
また、「孫ができて考えが一変しました」(50代・男性)という人や、「訪問者があったとき、話題ができてよい」(60代・男性)と、その有意性を言う人も。
ただし、「飾りたい」派の中にも、周囲から指摘を受けた人もいるよう。
「以前デジタルフォトフレームを置いていたが、部下にやめてくれと言われ、震災時の節電と共に箱の中に格納されロッカー行きとなりました」(40代・男性)
デジタルフォトフレームだったからダメだったのか、そもそも家族の写真が疎まれたのか…。
デスクに家族の写真を飾るぐらい個人の自由、と思いたいところだが、「飾りたくない」派は想像以上に多い。
飾りたくない派「自慢だと思われたくない」人も
「飾りたくない派」の理由はさまざまだが、大別すると、「プライベートを職場に持ち込みたくない」人と、「自慢だと思われたくない」人に分けられるようだ。
【プライベートを職場に持ち込みたくない】人の意見
「プライベートを職場に持ち込むのはちょっと…」(20代・女性)
「極力、個人色を廃したデスク作りに努めています」(30代・男性)
「周りに干渉されたくないので、人目につきやすい場所は避けたいです」(30代・男性)
「写真なんぞ見たら、やる気モードより逃避モードになりそう…」(40代・男性)
「無用な私物持ち込みの罪に問われます、それに個人情報ダダ漏れじゃないですか」(40代・男性)
「海外勤務時は家族や子どもの写真を飾ることもありと思ったが、多くの大部屋式の日本のオフィスでは家族をさらけ出すようで飾る気分にならない」(60代・男性)
【自慢だと思われたくない】人の意見
「自慢しているみたいに見えるので飾らない」(20代・男性)
「社内で『家族を大事にしています』とアピールをしても意味がないし、携帯で取った写真で十分」(30代・男性)
多数派を占める「飾りたくない」派だが、「海外勤務時は…」のコメントのように、オフィスが個人ブースになっていれば(デスクが人目につきにくい構造であれば)、飾る人もいるのかもしれない。
「個人色を廃したデスク作り」「私物持ち込みの罪」などのキーワードからは、オン・オフに厳しい社風が見える。また、「自慢しているみたいに見える」「『家族を大事にしています』とアピール」といった言葉から感じられるのは、「謙虚・謙遜の美徳」だろうか。とはいえ、「飾りたい」派すべてが「自慢したい」人とは思えないが…。
「飾りたくない派」のなかにも、「人が飾っていても何とも思わないが、自分は飾りたくない」人と、「人が飾っているのを見るのも好ましくない」という人がいるだろうが、「自慢だと思われたくない」人は、恐らく後者ではないだろうか。
このほか、「帰れば嫌でも顔を合わせるのに、仕事中くらいは…」(50代・男性)という人も。「気持ち的には飾りたいが、他人には見られたくない(家族の許可も出そうにないし…)」(50代・男性)というように、本心では飾りたいが、周囲の目が気になるという意見もあった。
SNSでも時として「人を不快にする投稿」として、高価なレストランでの食事や海外旅行、そして子どもの写真などが話題になる。匿名掲示板などでは、友だち限定の公開であっても、「他人の子どもを見せられても義理でいいね!するだけ」「ぶっちゃけかわいくない」などと書かれていたりもする。
自分は自分、人は人で割り切りたいものだが、デスクの写真1枚に対しても、職場内での同調圧力はあるようだ。
(プレスラボ 小川たまか)