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■「Pontaカード」が迎える正念場とは?(前編)「dポイントカード」と「Rポイントカード」がローソンで利用可能になると「Ponta」の1人負けに?
■「Pontaカード」が迎える正念場とは?(中編)昭和シェル石油と出光興産の経営統合により「Ponta」提携店からガソリンスタンドが消える?
しかし、なぜ「Pontaカード」だけがこのような苦境に陥っているのだろうか? 「Tカード」や「Rポイントカード」は大丈夫なのだろうか? 今回はそのあたりを考察していこう。
まず、「Rポイントカード(楽天スーパーポイント)」を考えてみよう。
過去2回の記事で引用したジャストシステム「ポイントに関するアンケート調査」の結果を見ると、消費者が「楽天スーパーポイント」と「Tポイント」、「Pontaポイント」でどれか1つを選ぶといった場合、5割弱が「楽天スーパーポイント」を選んでいる。つまり、ローソンのように複数の共通ポイントカードが選択制になったとしても、「楽天スーパーポイント」が圧倒的に有利なのだ。
「Tポイントカード」は、会社への出資で提携企業の離脱を防止次に、「Tポイント」陣営を見てみると、こちらは有力提携企業からTポイント・ジャパンへの出資という形で離脱を防いでいる。
まず、2013年4月26日(金)にCCCがTポイントプログラム運営事業を新会社「Tポイント・ジャパン」に分割。その際、Tポイント・ジャパンにYahoo! JAPANが15%の出資を行った。
2015年3月25日(水)には、ソフトバンクがTポイント・ジャパンへの出資を行い、さらにYahoo! JAPANも出資比率を2.5%引き上げた。その結果、出資比率はソフトバンク、Yahoo! JAPAN共に17.5%となった。
さらに、2015年8月6日(木)に、ファミリーマートがTポイント・ジャパンへの資本参加を発表し、株式15%を取得。おそらく、出資比率は以下のようになるだろう。
■Tポイント・ジャパンへの出資状況株主名出資比率CCCマーケティング50.0%Yahoo! JAPAN17.5%ソフトバンク17.5%ファミリーマート15.0%つまり、これらの企業では、共通ポイントは「Tポイント」以外を受け付けないという意思表示だ。
今回の資本参加により、共通ポイントの一番の利用先であるコンビニエンスストアのファミリーマートが、「Tポイント」陣営から離脱する可能性がなくなった。
三国志の時代から群雄割拠の時代へ
ページ上部に掲載した「共通ポイント三国志」のイメージ図は、昨年作成したものだ。
(関連記事⇒「Tポイント」「Ponta」「Rポイント」を徹底比較!今さら聞けない共通ポイントサービスの歴史とそれぞれのメリット&デメリットを徹底解説!)
加盟店数で比較すると、魏が「Tカード」、呉が「Pontaカード」、蜀が「Rポイントカード」になるはずだ。しかし今後の勢いなども考慮して、魏を「Rポイントカード」、呉を「Tカード」、蜀を「Pontaカード」とした図を掲載した。当時は「違和感がある」というコメントがあったが、今ではこのイメージが現実になりつつあるのではないだろうか。
ただ、今後も同じような状態が続くとも限らない。2016年の電力自由化で「WAONポイント」、「nanacoポイント」などが頭角を現す可能性も高い。ポイント業界は”三国志”から”群雄割拠”の時代に変わりつつあるのだ。
以上、今回は「Rポイントカード」や「Tポイント」と比較して、「Pontaカード」が正念場を迎えているという考察を3回に渡って紹介した。
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