もともとゲーマー向けボイスチャットとして注目を集めていた「Discord(ディスコード)」ですが、近頃は幅広い層に親しまれ、さまざまな場面で使われることが多くなってきました。本記事では、「Discord」の使い方や使用する際の注意点をご紹介します。
Discordを使ってゲームをより快適に楽しもう
最近、コミュニケーションツールの代表的なDiscordが、ゲーマーの中で主流になっています。Discordは、無料で使え、非常に多くの機能が備わっているからです。コミュニケーションツールとして、挙げられるのはLINEやSlackもありますが、それらよりも通話品質が高く、安定していることから支持されています。
また、1対1や複数人でテキストメッセージや音声通話でやりとりができ、ゲーム中に連携をとって、優位に進めるには欠かせないツールです。マイクロソフトからの買収固辞、新規株式公開も!? コミュニケーションツール「Discord」とは何か ~海外ユニコーンウォッチ #5~
Discordの簡単な歴史と特徴
Discordは、ゲーマー一人のアイデアから誕生しました。よりゲームを楽しくプレイしたい、友人などと一緒に会話をしながら楽しみたいといった思いから開発されたのです。現在も機能追加などは定期的に行われています。Discordはアメリカ生まれのプラットフォーム
Discordは、最近話題になっているソーシャルメディアの1つです。ゲーマーであるジェイソン・シトロン氏が、よりゲームを楽しめるように考え、開発したプラットフォームです。ユーザーがテキストメッセージや音声メッセージ、動画などを他のユーザーに送信できるなど、よりゲームを楽しむ可能性を広げました。
Discordは現在も機能追加や改善がなされています。そして最も優れた点は、1円も払わず、無料で利用できることです。
ゲームをしながら使える機能が多い
Discordにはゲームを快適にプレイできる機能が豊富に用意されています。オンライン・オフライン状況を確認できる
Discordの画面右端には、メンバーのアイコンが表示されています。アイコンでメンバーのオンライン・オフラインの確認ができます。アイコンの右下に3種類のマークが常に表示されており、色とマークでそれぞれ意味が決まっています。
・緑ならオンライン
・灰色ならオフライン
・月マークは取り込み中で通知をオフにした状態
・黄色は退席中
このようにマークによって、メンバーの状態がひとめでわかるようになっています。
コミュニケーション機能が充実
Discordには、協力プレイゲームでは欠かせないコミュニケーション機能が充実しています。特にFPSでは欠かせないボイスチャットですが、ゲームをしながらでも個人間、複数人で同時に通話ができます。
・ゲームをしながらでも個人間、複数人で同時に通話ができる
・会話の内容がDiscordの画面上に表示される
・誰が発言しているのか一目でわかる「オーバーレイ」機能
・テキストチャットで、動画や画像の共有ができる
ゲームに集中して会話を聞き逃してしまっても後から確認できます。連携プレイなどにも支障をきたすリスクを減らせるでしょう。また、誰が発言しているのか一目でわかる「オーバーレイ」機能が協力プレイで大きく役立ちます。
他のメンバーゲームプレイ状況を確認できる
メンバーがどのゲームをプレイしているか、メンバーのプロフィールから確認できます。複数のデバイスで利用ができる
Discordは、パソコン、スマホ、タブレットで使えます。ただし、デバイスによって多少使い方が異なる点に留意する必要があります。パソコンでは、ブラウザ上とデスクトップアプリで使えます。デスクトップアプリの方が機能面において便利な点が多いので、アプリを使うのがおすすめです。
Discordの機能を十分に活用するには、Discordを使用しているブラウザを最前面に表示しておく必要があるためです。なぜならブラウザ上では使えない機能があるからです。
モバイル版では、パソコンと操作方法が異なる部分があります。
Discordを活用するメリット
プライベートとネット上の知り合いを分けられる
コミュニケーションツールといえばLINEがあります。しかし、リアルな付き合いのある人を連絡先に登録している人は多いでしょう。プライベートのみ利用しているLINEアカウントを教えたくない人も多いはずです。そこで、ネット上のコミュニケーション専用のツールとして、Discordが活躍します。Discordは「サーバー」と呼ばれる、ひとつのコミュニティグループを作ることで、つながる人を限定できます。
たとえば、ゲーム友だち専用サーバー、リアルの友だち専用サーバーといった使い方も可能です。
Skypeのボイスチャットを使う手段もありますが、動作が不安定、通話音質が悪いなどの理由からDiscordを使う人が増えていて、ゲーマーでは主流になっています。
使い続けても費用がかからない
Discordは、大多数の人にとって必要な機能が無料で利用できます。そのためDiscordは人気があります。サーバーを建てることや通話、チャットはもちろん、画面共有、ビデオ通話も無料です。1対1だけではなく、複数人でのチャットも無料です。よく比較されるチャットツールとして代表的なSlackですが、無料版には機能制限があり、Discordでは無料で使える機能がSlackでは有料になっています。たとえば、無料ではサーバー管理者によるメンバーの投稿制限が#generalチャンネルのみに限定されています。有料で利用できる機能は、主に次のようなものがあります。
・管理者によるメンバーのチャンネル投稿制限
・画面の共有
・複数人との音声通話とビデオ通話
・メッセージ履歴の保存件数に上限がある
これらを使えるようにするには、最低でも月額850円のプロ版を使わなければなりません。
この点でもゲーマーに限らず、多くの人にとって、SlackよりもDiscordが人気の理由です。
まずはDiscordのアカウントを作成しよう
①アプリをダウンロードする
まずはDiscordのアプリをダウンロードしましょう。パソコンのデスクトップアプリは、Discord公式サイトにある「ダウンロード」ボタンをクリックすればダウンロードできます。ダウンロードボタンをクリックすると、DiscordSetup.exeファイルがダウンロードされるので、Discordアイコンをダブルクリックしてください。スマホ、タブレット版アプリは、App StoreまたはGoogle playストアからダウンロードできます。
②アカウントを作成する
電話番号またはメールアドレスを入力し、「次へ」をクリックします。その後、ユーザー名とDiscordで使用するパスワードを入力し、「次へ」をクリックしてください。最後に誕生日を入力すれば、アカウントが作成されます。アカウント作成後にニックネームの入力、アイコン画像の選択の画面が求められます。ニックネーム、アイコンは後から変更できるので、決まっていない場合は仮のニックネームを入力しておくとよいでしょう。
次に、知り合いからメールアドレス、電話番号で自分のアカウントの検索を許可するかどうか求められます。検索されたくない場合は、チェックを外しましょう。
③Eメールを認証する
登録したメールアドレスにDiscordの認証メールが届くので、メール本文にある「velify Email」ボタンをクリックします。クリックするとアカウントが作成できます。メールが届かない場合は、Discordアプリの上部にあるオレンジ色のバナーにある「Rsend(再送信)」ボタンを押して、認証メールの再送信を行ないましょう。④電話番号を登録する
メールアドレスでアカウントを作成した場合、マイアカウントから電話番号の登録が可能です。電話番号の認証を行なうことで、電話番号だけでログインできるようになります。電話番号を登録すると、他人に自分の電話番号を知られてしまうのではないかと、不安になる方もいるかもしれません。しかし、Discordに登録した電話番号が他人に知られてしまうことはありません。なぜなら、Discordの機能に登録した電話番号を他人が知る機能がないからです。
万が一、他人に知られてしまう可能性があるのは、ハッカーなどによってDiscordが攻撃されたときです。
Discordを安全に使うための初期設定
なぜなら、自分だけではなく友だちにも被害が及ぶ危険性があるからです。Discordを安全に使うためにも、セキュリティ設定は必ず行いましょう。
2段階認証にしておく
Discordのアカウントを守るために2段階認証が用意されています。2段階認証にはスマートフォンアプリの「Twilio Anthy」または「Google Authenticator」が必要です。あらかじめダウンロードしておきましょう。パソコン版とモバイルアプリ版で手順が異なるので、それぞれ解説します。
2段階認証の設定方法【パソコン版】
Discordのマイページ下にある「二段階認証を有効化」をクリックすると、QRコードが表示されます。ダウンロードした認証用アプリを開き、「開始」をタップしてQRコードを読み込みます。表示された6桁の数字をDiscordに入力して「有効」ボタンをクリックしてください。これで2段階認証の設定は完了です。2段階認証の設定方法【モバイルアプリ版】
モバイルアプリ版の場合は認証用のQRコードが表示されないので「Google Authenticator」アプリが使用できません。モバイルアプリ版では「Twilio Authy」アプリを使って、二段階認証を設定します。・Twilio Authyアプリをダウンロードする
Discord内の画面右下にある自分のアイコンを開き、アカウント内にある「二要素認証を有効化」をタップしてください。アカウント作成時のパスワードを求められるので入力します。
次に「承認用アプリをダウンロード」の下にある文章から「Authy」をタップします。Twilio Authyのサイトが開くので、メニューにある「DOWNLOAD」を押してください。そうするとGoogle PlayストアとAPP Storeが表示されるので、必要な方をダウンロードしてください。
・Authyをセットアップをする
Twilio Authyアプリを開くと「+81」と「Cellphone number」があるので、「+81」をタップしてjapanを選択します。「Cellphone number」には電話番号を入力してOKをタップし、続いてメールアドレスを入力します。これでAuthyのセットアップは完了です。
・2段階認証設定を完了させる
Discordに戻り、自動通話による認証かSMSによる認証のどちらかを求められるので、SMSによる認証を選択してください。「registration Code」と表示されるのでタップします。
そうするとSMSに6桁の番号が通知されるので、コピーしておきましょう。Twilio Authyアプリに戻り、registration Codeのところに、6桁の番号を貼り付けてください。
Discordに戻り、「承認用アプリをダウンロード」画面から「次へ」をタップします。そうすると「2FAコード」が表示されるので「コピー」をタップします。
再度、Twilio Authyアプリに戻り「You dont have anyu accunts yet」画面左下にある「+」をタップしてください。画面下にある「Enter key manually」をタップします。
先ほどコピーしておいた2FAコードを張り付けて「Save」をタップしてください。そして任意のバックアップ用のパスワードを入力し、アカウントの名前を入力してアイコンを選びます。
ワンタイムパスワードが発行されるので、Discordに戻り、ワンタイムパスワードを入力してください。これで2段階認証の設定は完了です。
DMの警戒レベルを選択しておく
スパムメッセージを受け取らないために、ダイレクトメッセージに関するセキュリティを強化しましょう。マイページの左にあるユーザー設定の上から2つめの「プライバシー・安全」を選びます。次に、ダイレクトメッセージの警戒レベルを「安全第一」に設定します。「安全第一」に設定すると、すべてのダイレクトメッセージが自動でスキャンされ、スパムメッセージをブロックできます。また、「フレンドなら大丈夫(フレンド以外のメッセージをスキャンする)」「スキャンしない」から選ぶこともできますが、セキュリティを強化するためにも「安全第一」に設定しましょう。
Discordのサーバーとチャンネルの違い
チャンネルには、テキストメッセージや画像を投稿、共有できる「テキストチャンネル」と音声やビデオ通話、画面共有ができる「ボイスチャンネル」があります。
サーバーに参加してチャンネルを使えば、メンバー同士で会話などが楽しめるようになります。
Discordのサーバーの使い方
サーバーの作り方
まず、画面左のメニューにある「+」のアイコンをクリックします。クリックするとサーバーを作成という画面が表示されるので、テンプレートかオリジナルを選びます。ゲームで使うのであれば、テンプレートの中の「ゲーム」を選択してください。テンプレートを選択すると、「あなたのサーバーについてもう少し詳しく教えてください」と表示されます。友だちとゲームをする用途であれば、「自分と友達のため」を選択しましょう。次にサーバー名とアイコンを決め、「サーバーを作成する」ボタンを押せば、サーバーの完成です。
サーバーへの参加の仕方
サーバーに参加する方法は、画面の左側にアイコンが並んでいる、一番下の「+」を押してください。サーバー招待リンクを持っている場合は、リンクを貼って参加ボタンを押せば、サーバーに参加できます。Discordのチャンネルの使い方
チャンネルの作り方
チャンネルの作り方はパソコン版とモバイルアプリで作成方法が異なるので、まずはパソコン版の作り方を解説します。チャンネルの作り方【パソコン版】
チャンネルを作成したいサーバーを開きサーバーを開いてください。次にサーバー名を右クリックして、メニューから「チャンネルを作成」を選びます。「テキストチャンネル」か「ボイスチャンネル」の選択画面に移るので、どちらかを選択してチャンネル名を入力します。最後に「チャンネルを作成」をクリックすれば、チャンネルの完成です。
チャンネルの作り方【モバイルアプリ版】
チャンネルを作成したいサーバーを開き、サーバー名の横にある「…」をタップします。「チャンネルを作成」をタップして、チャンネル名の入力と「Text(テキストチャンネル)」か「voice(ボイスチャンネル)」のいずれかを選択してください。これでチャンネルが作成されます。両方とも作成したい場合は、ひとつずつ作成する必要があります。テキストチャンネルの使い方
参加しているテキストチャンネルを選び、メッセージを入力すればテキストメッセージを送れます。相手を指定しない場合は、参加メンバー全員宛てになります。特定の相手宛にメッセージを送りたい場合は、送りたい相手のアイコンをクリックして、メッセージを入力すれば送れます。モバイル版では、アイコンを長押して「メンション」をタップしてください。入力欄に「@ユーザー名」が表示されるので、そこからメッセージを送れます。
ボイスチャンネルの使い方
ボイスチャンネルを選んでチャンネルに参加して、音声のマークをクリックすると、会話ができるようになります。マイクの設定方法
マイク機能には「音声検出」と「プッシュトゥトーク」の2種類があります。音声検出は、マイクが拾った音をそのまま発信します。「自動検出」をオフにすると、一定のボリューム以下の音は拾いません。
プッシュトゥトークは、キーを押している間のみ音声がオンになる機能です。常に音声を聞かれるのに抵抗がある方におすすめです。
ビデオ通話の使い方
サーバーのボイスチャンネルもしくはDMからビデオ通話を開始できます。ボイスチャンネルからビデオ通話するには、まずボイスチャンネルに入ります。参加者のアイコンが表示されている画面下のビデオカメラマークをクリックすれば、ビデオ通話が始まります。ビデオ通話が始まると同時に、パソコンのインカメラが起動するので顔出しに注意してください。初めてビデオ通話する場合、Discordのカメラのアクセス許可をする必要があります。
Discordを使うときの注意点
サーバーのルールを理解しておく
各サーバー(コミュニティ)には、独自の文化や決まり事が必要なケースも多くあります。禁止事項、不適切行為、ボイスチャットの利用ルールは必ず確認しましょう。詐欺DMに注意する
偽公式アカウントからメールが来たり、NFTの購入などのお知らせが来たりすることがあります。騙される危険性があるので、絶対にリンクはクリックしないでください。そのようなDMを受け取らないためにもセキュリティ警戒レベルを「安全第一」に設定してください。まとめ l Discordは無料で使える便利なコミュニケーションツール
Discordは、多機能で使い勝手もよいコミュニケーションツールです。すでに多くのゲーマーがDiscordを使いコミュニケーションを取っている状況が、その利便性の高さを証明しています。一方で、多くの人が使うものは悪意のある攻撃の標的にされやすい危険性もはらんでいます。Discordのアカウントを作ったら、すぐにセキュリティの設定をしましょう。セキュリティ強化は自分だけではなく、メンバーのためでもあります。
その点を忘れなければ、ゲーマーにとって一番使えるのはDiscordです。Discordを使って、より楽しくゲームをプレイしましょう。