池井戸潤原作の映画『シャイロックの子供たち』で主演を務めた阿部が2011年に出演したホームドラマ『マルモのおきて』は、その後も2度のスペシャルが放送されるなど、絶大な人気を博す。放送当時6歳だった芦田愛菜や鈴木福の出世作でもあり、エンディングの「マルモリダンス」も話題となった。物語は阿部演じる文具メーカー勤務の高木護が、亡くなった友人の残した双子・笹倉薫(芦田)と友樹(鈴木)と出会うところからスタート。様々な出来事を経て、3人と言葉を話す犬のムックが本当の家族になっていく姿は大きな感動を呼んだ。
神木は、大ヒット作となった映画『ゴジラ-1.0』で主人公の帰還兵・敷島浩一を演じたが、2017年放送の刑事ドラマ『刑事ゆがみ』では主人公の相棒を担当。問題刑事の弓神適当(浅野忠信)に手を焼く若手刑事・羽生虎夫役に挑戦している。上昇志向と正義感の強い羽生にとって、違法捜査もお構いなしの弓神は厄介極まりない存在。事あるごとに弓神におちょくられながらも、事件解決に奔走する羽生にはエールを送りたくなるはずだ。
2023年2月に公開された映画『エゴイスト』で圧巻の演技を見せつけた鈴木は、2022年放送の社会派ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』でも、テレビ局のエース記者を好演。鈴木演じる元彼・斎藤正一との路上キスを写真週刊誌に撮られて落ち目となったアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)は、新米ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)と共に、ある冤罪事件を追うことになる。
水上は、福原遥とW主演の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で優秀主演男優賞を受賞。役者として着実にキャリアを重ねている彼が、2023年に出演して存在感を発揮したのが月9ドラマの『真夏のシンデレラ』だった。森七菜と間宮祥太朗がW主演を務める本作で水上が演じたのは、シングルマザーの小椋理沙(仁村紗和)に思いを寄せる小児科医兼ライフセーバーという役どころ。
映画『Shall we ダンス?』や『うなぎ』『孤狼の血』で最優秀主演男優賞を獲得している役所は、カンヌ国際映画祭の主演男優賞を受賞した映画『PERFECT DAYS』でノミネート。そんな役所の近年の代表作の一つとして挙げられるのが、2015年公開の『日本のいちばん長い日』だろう。太平洋戦争末期の閣僚たちの1日を役所演じる阿南惟幾陸軍大臣の視点で追った本作は、第39回日本アカデミー賞で11部門を受賞。役所たち演者の重厚な演技もあり、国内外から高い評価を受けている。
授賞式の当日は、以上の5名の中から最優秀主演男優賞が決定。