マツダCX-60 PHEVは、FR(フロントエンジン・リヤホイールドライブ)ベースの4WDモデル。マツダのデザインテーマである魂動デザインを表現するうえで理想ともいえるアーキテクチャーを手に入れた。
違和感なく鼻先の長いプロポーション。まさにFRプラットフォームが為せる技だ。ヘッドライトは意外にもつぶらで、昨今表情が怖かったマツダ車と比べると、可愛らしくも見えてくる。ボディサイドはCX-30にも通じる移ろいの美しさ。全体的に無理にラインを消さず、自然で肩の力が抜けたデザインといった印象だ。
【画像】マツダがやりたかったFRベースのSUV「CX-60」はインテリアにも注目
インテリアは、定評ある質感の高さを写真からも見て取れる。左右につながる加飾は、これまでのマツダ車でも見たことのない仕立て。シフトノブは、MX-30のものに似ている。センターディスプレイは頑固に薄型だ。
そしてハイブリッドパワートレーンは、2.5L直列4気筒直噴ガソリン「スカイアクティブG 2.5」に最高出力100kWを発生させる電気モーターを組み合わせる。
エンジンとモーターの組み合わせにより、システム総出力は241kW(327ps)、最大トルクは500Nmを発揮する。この最大トルクはマツダ車歴代でもっとも強力であり、0→100km/h加速はわずか5.8秒と高性能を誇っている。
一方、PHEVならではの優れた環境性能も魅力。その燃費はWLTPモードで1.5L/100km、CO2排出量は33g/km。時速100km以下で走行する場合は、モーターだけで63km走れるという。
エンジンを縦置き搭載する新開発プラットフォームには、これまで培ってきた人間中心のアプローチに加えて、先日ロードスターの改良時に追加された独自の車両姿勢制御システム「KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)」も採用されている。
SUVならがら、CX-60 PHEVは重心の低さも自慢。高電圧バッテリーをフロントアクスルとリヤアクスルの間に配置し、ボディシェル内で限りなく低く配置している。そのうえで、前後車軸間をプロペラシャフトで機械的につなぐフルタイム4WDを採用。プレミアムセグメントに迫るハンドリング性能を誇っている。
また、低速走行時の視界を改善する次世代の360°ビューモニターなど新たな安全装備も追加されているようだ。
CX-60 PHEVの発売により、2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて歩みだしたマツダ。今後数年間、電動車を開発し続けるとのこと。さらに2023年には、CX-60よりも大きく3列シートモデルも設定すると公表。こちらは、すでにモデル名が明かされている「CX-80」のことと思われる。
ちなみにMX-30 EVモデルの、ロータリーエンジン搭載車についても言及。モデル名は「MX-30 REV」と呼ばれるようだ(ロータリーのRとEVの組み合わせか)。
ついに動き出したマツダのラージ商品群。そして縦置き6気筒エンジンはいつ登場するのか? 今から楽しみで仕方がない!
〈文=ドライバーWeb編集部〉