【画像】ステアリングヒーターを自作してみた!
フォルクスワーゲン ティグアンは2021年のマイナーチェンジで、なんとステアリングヒーターを装備した。

寒い冬場は冷たいステアリングを握るのはつらい! いつからこんなヘタレになったのかと思うが、一度快適装備に触れちゃうとなかなか元には戻れなくなるものだ。
ステアリングヒーターは、すごくうらやましい機能なのである。

そこで新型にあってオイラのマイナーチェンジ前のティグアンにないステアリングヒーターを何とか取り付けられないかと考えた。
以前、マイナス20度の北海道でエゾテンという野生動物を撮影したとき、カメラの結露対策としてヒーターパッド(電熱ヒーター)というものを使ってカメラを温めるカバーを作った。
その残りをぼんやりと眺めて、これで何とかなるんでは? と思い立った。


5つあるパッドのうち2つをステアリングに巻きつけてやれば温かいはずだ。
問題は電源。
モバイルバッテリーを使えば簡単に給電はできるが、ステアリングはクルクル回すものだから、電源も一緒に回らないといけない。

うーんと小さなモバイルバッテリーなら、なんとかステアリングの裏にマジックテープで貼り付けられそう。ということでステアリングヒーター工作を決行!!
ヒーターパッドをステアリングに巻き付け、その上から編み込み式のハンドルカバーで固定する。

最初は全周すべてを巻いてしまおうかと思ってが、ヒーターパッドのサイズを見ると下の方だけでよさそうだ。
ヒーターをオンにした時はそこを握っていればいい。
位置を決めて短くしたハンドルカバーを針と糸で編み込んでいく。

これが結構簡単で、しかもきれいにできたと自画自賛。

そしてバッテリーをつないでオン・オフスイッチも両面テープでステアリング横に貼り付けて完成!

スイッチオン!!

少しするとほんのりと握りが温かくなってきた。ちなみに今回使用したヒーターパッドのスイッチは、オンにして温かさが「強(LEDがレッドに光る)」、さらに押すと「中(ブルー)」、そして「弱(グリーン)」と調整できる。さらにオンにしてからしばらくすると自動的に「中(ブルー)」になるという自動調整機能まである。
ファーストインプレッション!
ハンドルカバーの革が厚いために、最初はほんのり温かくなり、しばらくするといい感じでホカホカに。
ただ純正ステアリングヒーターほどの温かさではない。しょせん5Vではこんなものか、という感じ。

それよりも、ステアリングをクルクル回した時に巻いたステアリングカバーのエッジ(革が厚くて段差になっている)が思いのほか手に引っかかり痛い。
革のエッジにR加工をして対処するか? とも考えたのだが、きれいにできそうもないので却下。
そうだ!アルカンターラがあった! カメラ機材のカバーか何かを作ったときの余りがあったはず。スウェード調高級合成皮革だ~! これは薄くて手触りも最高だ。よしこれを巻くぞ!

余談だが、このアルカンターラなる不思議な名前の素材を最初に知ったのはランチア デルタS4だった。WRCの伝説的なカテゴリーであるグループBのベース車両として仕立てられたロードカーである。そしてS4は内装も高級スペックで、最高の手触りのアルカンターラを採用していたのだ。
これでS4に一歩近づいたぜ!!

アルカンターラをハンドルカバーのサイズに切って縫い込んで締め上げる。
これはいい。感触よし! 厚さよし! 糸で引っ張ったときの強度もある。
改良版のインプレ!!

純正装着のツルツルした本革部分より、触った感触は温かい(ヒーターを入れなくても)。薄いのでヒーターパッドの熱も表面に伝わりやすくホカホカ感が強い。何よりも手触りが最高に気持ちいい。これならステアリング全周に巻いてもいいぐらいだ!

問題点は、ステアリングヒーター用のモバイルバッテリーの電源を切り忘れること。
皆さんもこうした大人の工作はいかがでしょう? なかなか楽しいですよ。
〈文と写真=三好秀昌〉