不正の対象となった車種は4車種あり、2022年8月に生産を開始したトヨタ ヤリス エイティブ(タイ生産でタイ、エクアドル、メキシコ市場向け)と2023年2月に生産開始のプロドゥア アジア(マレーシア生産でマレーシア市場向け)、2023年6月生産開始予定のトヨタ アギヤ(インドネシア生産でエクアドル向け)で、もう1車種は開発中のモデルであるという。対象は累計で8万8123台(ヤリス エイティブ7万6289台+プロドゥア アジア1万1834台)。

●プロドゥア アジア

●トヨタ アギヤ
不正の内容であるが、滋賀県にあるダイハツのテクニカルセンターで行われた時速50㎞での側面衝突試験(認証試験)の際に、ドアの内張り部品にあらかじめ割れやすくするスリットを入れるといった加工を施し、内張りが割れた際にそのエッジで人体に被害を及ぼさないようにしたというもの。問題発覚後に正規の部品を用いた社内での再試験では、側面衝突について定められた基準を満足していることを確認したという。ダイハツの奥平総一郞社長は「真因は追って調べるが、試験に一発で合格するための余裕を作りたかったのではないか」と不正の原因について言及した。

●ダイハツの奥平総一郞社長
トヨタブランドの車種については、トヨタとダイハツ間のOEM供給契約・共同開発契約に基づき、ダイハツが開発から必要な認証試験合格までを実施。そのうえで、トヨタが当局に車両型式の認可の申請をし、必要な認可を受けた後、トヨタブランドで販売している。
不正行為の事実が判明後、速やかに審査機関・認証当局に報告・相談し、トヨタと協議の上、対象国への出荷を4月27日に停止。今後は、審査機関や認証当局の立ち会いのもとでの再試験などを行い、側面衝突性能が法規に適合していることが確認されれば、出荷を開始するという。ちなみに、法規を採用していない国については生産を継続している。
なお、今後についてトヨタは認証業務の再点検やトヨタ・グループとして製品・サービスの総点検を実施。グループ全体の現場での徹底的な事実把握を行い、真因の追求をしっかりと進めていくという。
〈文=ドライバーWeb編集部〉