今、日本のエコバッグが海外から注目を集めている。
福井県のテキスタイルメーカー、金津繊維株式会社が福井県工業技術センターとの産官共同研究によって2007年3月に製品化したエコバッグ「kna plus(クナプラス)」だ。


どこが今までのものと違うかというと、生地素材からボタン、ケアラベルまでとうもろこし由来の生分解性を持つポリ乳酸繊維が使われていて、土に埋めれば、土中で自然に分解し土に還り、焼却しても有毒なガスが出ない、という使用後も地球に優しいエコバッグなのだ。

さらに、素材がエコなだけでなく、染色が難しいとされていたポリ乳酸繊維に日本の伝統色を使い、プリーツ加工を施したデザインがこれまたおしゃれ。
様々な生活スタイルに合うように、と用意された多彩な色のバリエーションは“7色×4つの形=28デザイン”。

4つの形はタテプリーツ・大(3,000円 size:w550×h750[mm])タテプリーツ・小(2,500円 size:w400×h550[mm])、ヨコプリーツ(2,500円 size:w350×h560[mm])、そして生地がくしゃくしゃとしている「くしゃ」(3,000円 size:w350×d120×h360[mm])(*金額はすべて税別)。

プリーツ加工のエコバッグは今までのエコバッグの一線を画すデザイン。
エコバッグの概念を覆してしまうほどのデザイン性は、おしゃれをじゃましないからお出かけ用バッグとしても使える。


7つの伝統色は濃縹(こきはなだ)、照柿(てりがき)、素色(しろいろ)、 萌黄(もえぎ)、紅藤色(べにふじいろ)、滅赤(けしあか) 、納戸鼠(なんどねず)。いずれも自然物に由来する微妙な色合いが日本の伝統色ならではの味わい。
ちなみに納戸鼠は灰色がかった青緑。納戸は暗い青色をさす。滅赤は赤みのずっと弱い灰みがかった赤のこと。
色を表す言葉の豊かさにも心惹かれます。


「kna plus(クナプラス)」が海外で注目されるきっかけとなったのは、2008年1月にパリで開催されたインテリア関連最大級の見本市「メゾン・エ・オブジェ」でのJETRO(日本貿易振興機構)ブース“In the detail”出展商品に選ばれたこと。
土に還るエコバッグというコンセプトに加え、日本の伝統色、形などデザイン性の高さが海外バイヤーの目に留まった。

現在、スミソニアン クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館のデザインショップ(ニューヨーク)、シカゴ現代美術館ミュージアムショップ(シカゴ)の他、ドイツ、フランス、イタリア、スイスのセレクトショップなどで取り扱いがある。

微妙な色合いと繊細な形から重いものはNGと思われがちだが、15kgまでの重さには十分耐えられる。ただし、急に持ち上げるなど急激な引っ張りには弱いので、重いものはゆっくり持ち上げる必要がある。

「蒸し暑い場所が弱いなど特性を理解して使って欲しいということでしょうか……。ポリ乳酸繊維は熱、湿度、アルカリに弱い特性や使う方の環境、使用状況によっても違いますが、ナイロンやポリエステルのようにいつまでも強い繊維ではありません。
加水分解や経年劣化があり、約1年と考えています」とスタッフの方。

あまりにおしゃれなバッグなのでいつまでも使いたい! という気持ちになるけれど、「kna plus(クナプラス)」は土に還るエコ素材。しっかり働いてくれたあとは自然に還してあげることもお忘れなく。

クナプラスでは、この6月にネットショップ開店1周年を迎えサイトをリニューアル。これを記念して現在、限定での新色販売、エコバッグ試用モニターを募集中(募集期間 2008年6月10日~7月10日)。詳しくはウェブサイトまで。

(こや)

「kna plus(クナプラス)」HP
「kna plus 取扱店一覧」