歯の矯正をしている友人がいるのだが、一緒に食事をする時など、何かと不便そう。話を聞くと硬いものはあまり食べられないのだとか。
単に矯正器具のせいで食べづらいだけだと思っていたら、実は痛いこともあるのだとか。そこで疑問に思ったのが、矯正中の食べ物。「矯正歯科 Smile Web」を運営するOCA Japan株式会社に聞いてみることにした。

矯正中に痛くて食べられないことってある?
「痛みは人によって差が大きく、まったく何ともない方もいれば、気になるという方もいます。一般的には、器具を装置した初日や、治療で来院して器具を調整した直後に痛みが出ることが多いようです。ワイヤーが引っ張られることで、徐々に歯に痛みが出て噛む力が弱まるので、少しずつ回数を増やして食べるなどの工夫が必要かもしれません。
ただ、調整直後は痛くても、それから1週間ぐらい過ぎると、知らないうちに痛みを忘れて平気になるようです」
歯にワイヤーを装着して移動させるわけだから、痛みが生じるのは当然なのだろう。

それでは、矯正中に食べられないものはあるのだろうか。件の友人はカレーが食べられなくて悲しいと言っていたけど……。
「クリアタイプの器具を装着している場合は、時にゴムの部分に色がつきやすいので、カレーに限らず、コーヒー、赤ワイン、ミートソースなど色の濃い食べ物は避けたほうがいいですね。食べた場合は食後すぐの歯磨きが大切です。ちなみに、デーモンと呼ばれる装置はゴムが付いていないので、着色の心配もなく、色の濃い食べ物でも気にせず食べられますよ」

色の濃い食べ物以外に食べない方がいいものってある?
「やはり、おせんべいやあられ、ナッツ、スルメなどの硬い食べ物や噛み切りにくいものは、装置が壊れたりする可能性があるので避けた方が無難です。
また、キャラメルやガム、お餅など粘着性のあるものも、器具にくっついてしまって取れてしまう可能性があります」

食べ方で注意する点は?
「人参やゴボウなどの硬い野菜、麺類などはやわらかめに茹でましょう。あと食材は細かく切って一口で食べやすくすること。前歯で噛み切ろうとしないことも大切です。それほど硬くないものでも、治療をしていない時と同じようにかじったり、噛み切ろうとすると装置が壊れる原因にもなるので注意しましょう。豆腐は食べやすくて調理のバリエーションも豊富なのでおすすめです。また、少しの量でも満腹感が得られる春雨スープもいいですね」

おすすめの食べ物は、とにかくやわらかいものだとか。
そういえば、友人も治療したての頃は、噛むと痛くて、おかゆとかゼリー飲料など、ほとんど噛まなくてすむものを食べていたそうだ。
歯科矯正は家族をはじめ周囲の人の協力が必要不可欠というけれど、主に食事の面でそれが顕著のよう。自分が食べたいからって、矯正中の人に硬いものを作ったり、食べさせようとしたりしないようにしないとね。
(S.I/C-side)

「矯正歯科 Smile Web」