でも、近年は、「まったく痛くない歯医者」と評判の歯医者が、けっこうある。
これってなぜなんだろうか。
昔に比べ、どんな小さな治療でも麻酔を使うようになったなど、麻酔に対する考え方が変わってきたんだったりする?
日本歯科医師会に問い合わせたところ、杉並区歯科医師会会長の高橋英登先生がこんな説明をしてくれた。
「確かに、近年は痛い歯医者が減っていますが、麻酔というよりも、治療法が変わってきたことがあるんですよ」
昔は歯の接着剤が良くなかったため、詰めものがとれないように、深く削って詰めなければいけないという事情があったのだとか。
ところが、15年ほど前から優れた接着剤が登場し、大きく削らなくとも詰め物がきちんと詰められるようになったのだという。
「接着剤はいま、非常に良い製品が出ていて、世界に輸出しているほど。接着は、歯科医療の様々な部門のなかでも、日本がトップという数少ないものなんですよ。また、それにより、MI診療(ミニマムインターベーション)といって、健全な歯質を残して、虫歯部位を最小限に削除しようという傾向が強くなり、削る部分がすごく少なくてすむようになったんです」
つまり、削る部分が少なくてすむため、麻酔をせずにすんでいるケースが増えているということのよう。