7月からフジテレビの「ノイタミナ」(※アニメーションのスペル[Animation]の逆読み)枠で、アニメ「西洋骨董洋菓子店~アンティ-ク~」の放送がスタートした。この作品はよしながふみ原作の人気漫画で、以前「月9」枠でドラマ化されたこともある。
しかもアニメに登場するスイ-ツをプロデュ-スするのは、有名店「Toshi Yoroizuka」のシェフパティシエ、鎧塚俊彦氏。

若い男性ばかりで開業することとなったアンティークショップ張りの内装をもつケーキ専門店「アンティーク」の話なのだが、これがなんと全員イケメンという設定なのである。ドラマでも滝沢秀明、椎名桔平、藤木直人、阿部寛などそうそうたる俳優陣が演じていたが、こんなイケメン揃いの洋菓子店が実際あったら凄い。

……と思っていたら、現実世界で男性店員しかいないフランス菓子店を見つけてしまった。世田谷区尾山台にある「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」である。オーボンヴュータンとはフランス語で“思い出の時”という意味で、フランス菓子の第一人者河田勝彦氏がシェフをつとめる、お菓子好きの間では超がつくほどの有名店である。


そういえば、過去にパリで男性店員しかいないパティスリーに入って、何故か緊張してしまったこともある。もしかして、これって何かフランスの歴史的な文化の名残なの? 疑問に思ったので、フランスでお菓子作りを学び、現在は世界のお菓子文化を研究している方に話を聞いてみた。

「フランスのお店では基本的に“製造は男性(最近は女性も増えました)、販売は女性”と役割分担されています。昔からどの職業においても、販売するのは女性というのが基本だと思います。店に男性しかいないお菓子屋さんはむしろ例外的な存在なのではないでしょうか」

……なるほど。確かにパティスリーでは女性店員さんに接客してもらうことが多いから、男性店員さんに接客してもらったときのことが印象に残っていたのかも。
逆に、カフェの給仕は原則として男性で、ギャルソンという。

本場の菓子店はイケメン揃い!? という妄想はもろくも崩れ去ったが、イケメン揃いのパティスリーに並ぶ美味しく美しいお菓子……という甘い取り合わせは、もしかしたらこれから流行するかも……? なんて、淡い期待を覚えたのでした。
(磯谷佳江/studio woofoo)

「西洋骨董洋菓子店~アンティ-ク~」HP