実際、家庭でうどんを食べる場合、乾麺や生麺では茹でるとやわらかくなってしまうことが多いのに比べ、冷凍うどんは断然コシがある。ともすれば、ちょっとしたうどん屋より美味いのではないかと思うほどに。
これはなぜなのか。もしかして「冷凍」することでコシが強くなるとか? だとしたら、生麺もいったん家で冷凍させたほうが美味しかったりしないだろうか。
そんな疑問を、冷凍うどんのメーカー・加ト吉にぶつけてみた。
「まずひとつには、製法上の違いがあります。本社の工場が讃岐にあるのですが、讃岐うどんをつくる職人さんの動きを研究したうえで、足で踏むなど、職人さんが作るのとできるだけ同じ工程を経ているんですよ」
と、広報担当者は言う。
さらに、二つ目には、「一定温度で茹で上げること」があるのだとか。
「工場では、機械によって一定温度で茹で上げ、もどしたときに、かまあげと同じ状態になるようにしております。でも、家庭でかまあげをしようと思うと、温度や湿度、茹で時間の微妙な違いによって、できあがりが変わってしまいますよね?」
うどんは、急速に短時間でたっぷりのお湯で茹で上げることによって、モチモチしたコシが生まれる。ところが、家庭の弱い火力では、うどんを投入すると湯の温度が下がってしまったり、時間がかかることで、コシが失われてしまうよう。