「塩バターキャラメル」を筆頭に、ここ数年大人気の塩スイーツ。昨年10月、東京・中目黒についに「塩ケーキ」の専門店がオープンしたことをご存知だろうか。
その名も「カフェ・ド・ヴェルサイユ」!

塩ケーキ(ケーク・サレ)とは、ベーコンやチーズ、野菜などを練り込んで焼いた「甘くないケーキ」のこと。何年か前にフランスのカリスマ主婦、ソフィー・デュドメイヌ(Sophie Dudemaine)さんがこの「ケーク・サレ」のレシピを紹介した本を出版したことにより、塩ケーキの存在が脚光を浴びているのだとか。そして、そんなフランスの家庭の味を日本でも気軽に味わえるお店をつくりたい! ということでオープンしたのが同店というわけなのです。

どれにしようか迷いつつ、私が味わったのは『ズッキーニとクリームチーズ、トマトのケーク』。これなら野菜がたっぷりとれて、カラダにもよさそう~。さっそく味わってみたところ、すごく軽い食感なのにビックリ! どんどん食べても胃にもたれないので、フルサイズまるごと1人で食べれてしまいそうな勢いです。
ズッキーニとパウンド生地の相性もバッチリ、クリームチーズのコク、ドライトマトの旨みが絶妙なアクセントになっていて、とにかく今まで食べたことのない味かも……。砂糖やバターは不使用、卵はキッシュなどに比べると1/3の量でカロリーも抑えめ。スイーツというと「非日常」な食べ物というイメージがありますが、これはむしろ定番にしたい感じ。

お店の方にお話を伺ってみたところ、世の中がこれほどスイーツブームでも「甘いケーキがダメ」という人がけっこういることに改めて気づかされました、とのこと。お客さんはお店のある中目黒に住むマダム達を中心に、やはり日本で唯一のケーク・サレ専門店ということもあって静岡や大阪など遠方からくるお客様もいるとか。
ちなみに、ネット通販でのいちばん人気は『焼き玉葱とベーコン、グリーンピースのケーク』、ほか『4種のチーズとリンゴ・クルミのケーク』もおすすめとのこと。
後者はブルーチーズが入っていてワインにもよく合うので、薄くスライスしておつまみとしても楽しめるそう。うーん、おいしそう……。これはまさに、大人のケークといえるかもしれません。

ところで、ちょっと余談になってしまいますが、前述の今フランスで大人気という料理家、ソフィー・デュドメイヌさんに個人的に興味があって調べてみたところ、なるほど日本でいうと栗原はるみさんのような存在の方なんですね。無数に出版している料理書は飛ぶように売れ、テレビにもレギュラー出演。彼女がプロデュースしたケーキやデザートがスーパーでも売られているそうで、「ほ~っ」と思ってしまいました。
ネットでお姿も拝見してみたところブロンドヘアのなかなか魅力的な方で、彼女はひょっとしたら日本でも人気出るかも? 最近ではフランス料理界の巨匠、アランデュカスと共著を出したりもしているそうで驚きです! しかも、映画『男と女』の舞台になったドーヴィルでペンションも経営していて、そこではソフィーレシピのお料理が味わえたりもするのだそうで……。

ということで、このおいしくてカラダにもいい「ケーク・サレ(塩ケーキ)」が日本でもブームの予感! 今後、「カフェ・ド・ヴェルサイユ」では秋に向けてキノコなど旬の食材が楽しめるケーク・サレも試作中だそうなので、フランスのママンの味をあなたも体験してみてはいかが。
(野崎 泉)

「カフェ・ド・ヴェルサイユ」HP