人はハゲる。どうしてもハゲる。
遅かれ早かれ、多かれ少なかれ。

薄毛とも言われる「ハゲ」。この危機に悩む人は、とっても多い。でも、実際にはハゲてるわけじゃないのに、悩んじゃう人もいる。特に男の場合、おでこの生え際を過剰に意識しちゃうことがある。

そこで知りたいのが、ハゲ始めがどこにあるのか。
つまり「ハゲかけてる」状態の定義。男の場合、境界線ってどこにあるんだろうか。頭髪専門クリニックを紹介するヘアメディカルに、まずは前提となる「ハゲ」の定義を伺った。

「男性型脱毛症(AGA)には、以下の定義があります。
1.思春期以降に始まり、徐々に進行する
2.男性の前頭部と頭頂部の頭髪が薄くなり、最終的には後頭部と側頭部を除いて脱毛が進行する
3.硬毛の軟毛化が引き起こされる(毛が細くなり、短くなる)
この3つすべて当てはまった状態が“薄毛”や“ハゲ”と呼ばれるものです」

簡単に言うと“大人になって、額や頭のてっぺんの髪の毛が薄く細くなった状態”。当たり前かもしれないけど、これが基本的なハゲの定義だ。

じゃあ本題。「ハゲかけ」の定義って何だろう。

「我々が指標としているハミルトン・ノーウッド分類に従って診断すると『II型』に分類される状態です。これは“角額(額の両脇)が三角形に後退”していて“角度が鋭角(先端がとがっている)”であり、“後退した先端部分が、耳の真ん中に引いた縦のラインより、2cm以上前にある状態”を指します」

なんだか難しいからこれも簡単に言っちゃうと、“おでこの両端が鋭角に後退してきた時点”が「ハゲかけ」って状態。結構早い段階で、ハゲかけに分類されるみたいだ。この状態に悩んだら、原因が遺伝なのか、それとも生活習慣などの問題なのか、診断を受けるのもいいかもしれない。
今の時代、ハゲるメカニズムは解明されているからだ。
ちなみにハゲかけてる上司などを、陰で「II型」と呼ぶなど、ハミルトン・ノーウッド分類を悪用しないように……。

最後に、どうしてもハゲるとはいえ、それを遅らせる方法を教えてもらった。
「髪の成長にとって重要なミネラル(亜鉛・セレン・鉄など)が豊富に含まれている海藻は、よく髪に良いと言われていますが、実際海藻をよく食べるからといってハゲないわけではありません。
遺伝的に男性型脱毛症になる可能性が高い方は、早いうちから薬剤を飲むことで脱毛症の発症を遅らせることができます。また、遺伝的に問題がない方は、質の高い睡眠を取る、バランスの良い食事を取る、適度な運動をする、ストレスを溜めないなどを心がけてください」

薄毛の治療は、日々進化している。
だから近い将来、薄毛に悩むことはなくなるのかもしれない。でも現状、どうしてもハゲる。ゆえに悩んでしまう。
そのとき個人でできるのは、身体を気遣うのと同じ「精神的にも肉体的にも健康な生活」のようだ。

ハゲないよう、ハゲかけないよう、日々の暮らしを気遣ってください。
(イチカワ)