「カーナビって、なんで目的地『周辺』で終わりにするんだろうね? 『周辺じゃなくて、ちゃんと目的地まで連れてってよ』と思うよね」
深夜番組で以前、さまぁ~ずがカーナビについて、こんな感じの文句を言っていた。

同様のことを水谷豊がカンカンになって言うのを見たこともあるし、ダウンタウン松本も「人志松本のすべらない話」などでよく語っている。
身のまわりでもよく聞く苦情である。
自分なども徒歩ではあるものの「駅まで送るよ」と言いつつ、早々に飽きて、「あとはわかるよね?」と友人を放置することがあったりするが、それと似たような感じなのだろうか。
しかも、テレビや周囲の人の間では「周辺で見捨てられる」ことが当たり前として語られているが、最近のカーナビはもっと親切で、そんな人非人なことをしないとも聞く。
いつから、どういう理由で変わってきたのか。
自動車ライターの小池りょう子さんに聞いた。

「確かに、10年くらい前までは『目的地周辺です。音声案内を終了します』『えーっ! まだ着いてないよ~!』というナビばかりだった気がします。でも、最近のナビは、『○町何丁目何番何号』といった具合に、戸番まで検索できるようになっています(※昔はここまで詳細には検索できなかった)。さらに地図上に目的地が表示される縮尺までになると、『あとは地図見ればわかるでしょ』くらいの近さに来たってことで、音声案内を終了する機種がほとんどだと思うんですよね」
これは、10年ほど前のCD-ROMから最近のDVD、HDDへと情報データのソフトが進化してきたことが貢献しているのでは? とのこと。
「私の記憶が確かであれば、DVDになった頃、かなり劇的に変わりましたね。容量も増え、情報量がCD時代とは比べ物にならないくらいになりましたので、地図もより細かく検索できるようになりました。さらに、最新のナビは、地図情報だけでなく、周辺の施設やビルの何階に目的のお店が入っているとか、詳しいことまで教えてくれるようになっていますよ」

小池さんの場合、地方ロケなどのときに、現在地から一番近いコンビニやガソリンスタンドを検索するために、ナビを使ったりすることもあるのだと言う。


ちなみに、古いナビを使っている人には、「目的地周辺で案内を終了されてしまう」以外に、こんなことがよくある。
「新しくできた道などが、アップデートされていないと、とんでもない場所につれていかれるケースもありますよね。例えば、東京湾アクアラインがまだ開通していない時代のナビを使うと、東京→木更津のルートがものすごい遠回りになってしまったり……。最新の道路データがそもそも入っていないようなナビを使っていると、まだ全然目的地についていないのに、ナビが『ここまでしかオレの中には情報がありません』と、途中で終了してしまうことになるんでしょう」

カーナビに見捨てられ続けてる皆さん、今はずいぶん親切になってるそうですよ!
(田幸和歌子)
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