ユニクロのヒートテックがすごく売れているらしい。高い機能性もさることながら、今年の秋頃からテレビで放映されているCMが話題を呼んでいるようだ。
CMに出演しているのは、高橋智隆、Harley Viela-Newton、Stephan Gan、知花くららの4人。いずれも世界的に活躍する人物ばかりだが、何でこの4人が選ばれたのだろうか? ユニクロ広報部の山本慶子さんに聞いてみた。

「ヒートテックは去年から人気で、2000万枚の売り上げがあったんです」と山本さん。2000万枚というと、単純計算で日本人の6人に1人が買った計算になる。すごいな。「それで、今年はその勢いを世界に展開すべく、ニューヨーク、ロンドン、北京、パリ、ソウルの5都市で、大規模なプロモーションを行っています。このCMは、ユニクロの世界進出の一環で作られたものなんですよ」とのこと。なるほど、それで世界的に有名な人物を起用しているわけだ。

CMに登場する4人のうち2人は日本人で、知っている人も多いだろう。ロボットクリエイターの高橋さんは、パナソニックの乾電池2本でグランドキャニオンを登った「エボルタくん」が話題を呼んだ。知花さんは元ミスユニバース2位として、世界的に活躍するモデルである。「お二人とも、世界で活躍する日本人として、日本発のヒートテックを象徴する人としてぴったりだと思い、出演いただいています」と山本さん。
それでは、残りの2人はどうだろう。

CMの2番目に登場する女性、Harley Viela-Newtonなる人物をあなたは知っているだろうか。山本さんによると、「DJ/ミュージシャンとして活躍をしている方ですが、もともとは、Myspace(マイスペース)に公開していた写真が、『誰だこのオシャレな女性は!』と注目を集めて有名になった、通称『Internet IT Girl』です」とのこと。グローバル版リアディゾンといったところか。

そして3番目に登場する、Stephan Ganという人物。他の3人に比べるとちょっとパッとしない感じの人物だが……。「この方は、カルバン・クライン、トミー・ヒルフィガー、資生堂などの広告を手がける、世界的に有名なクリエイティブディレクターなんですよ」と山本さん。確かに言われてみれば、節々にクリエイティブな雰囲気が……見た目であなどってはいけない。

山本さんにこの2人を起用した理由を聞いてみると、「Harley氏もStephan氏も、特に欧米で知名度が高いので、欧米向けのPRを意識して出演いただいています」と回答いただいた。GAPやZARAなど、日本にも進出する各社との競合が激しい欧米で、独自の地位を築いていきたいという意図が現れているようだ。

日本発の技術を世界に普及させ、知名度の低い欧米でのプレゼンスを高める。4人の出演者起用の裏には、そんなユニクロの野心が見え隠れしているのである。

(珍満軒/studio woofoo)
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