女性ユーザーを意識した、おしゃれでカラフルなコンパクトデジタルカメラがたくさん出ている一方、デザインよりも「頑丈」を重視したデジカメもある。おもに工事現場などで使われているのだが、その頑丈さとはどれほどのものなのか、メーカーにきいた。


今回取り上げるのは、株式会社リコー製の防水・防塵・耐衝撃デジタルカメラ「G600」(実勢価格7万5000円前後)。有効画素数1000万画素、28~140mm(35mm換算)の光学5倍ズームレンズ、2.7型液晶モニター搭載など、スペックは通常のデジカメと比べても遜色ない。一見、ふつうのコンパクトデジタルカメラのようだが、建築・土木関係者から警察、消防、さらに自衛隊といったタフな現場で働いている人たちの酷使に耐えるのだ。

「建設資材の箱にそのまま投げ込まれたり、生コンクリートに落として水洗いされたりしています」とリコー。そんな使い方をされても壊れない。米国国防省の規格「MIL Standard810F」準拠のテストにクリアしており、高さ1.5mからの落下に耐える。
レンズは屈曲式採用で、電源を入れても出っ張ることなくコンパクトに収納でき、耐衝撃性も従来モデルよりも上がった。また、水深1mで約30分の撮影が可能なうえ、10mまでなら水没しても大丈夫。そのほか、JIS保護等級6級の耐塵性、マイナス10度の耐冷仕様だ。

ちょっとおもしろい機能もある。「消防モード」といって、自動的に高感度、固定焦点に切り替わり、ピント合わせが難しい火災現場の煙の中における撮影が容易になる。「実際、消防士の方が煙の中での撮影で使っていただきました。
余談ですが、消防士が撮影中に転んで骨折したときも、G600は壊れませんでした」と同社の説明。屈強な消防士よりも同カメラは強いわけだ。
この頑丈さが評価され、業務用以外でもトライアスロン、マリンスポーツ、釣りなど幅広く使われている。

雨が降りそうな日や水がかかりそうな場所に一眼レフを持っていくのには勇気がいるが、G600ならあまり心配は要らないだろう。
(羽石竜示)