「福」と「おむつ」に一体どんな関係性があるというのか。
そこで早速、このおむつを発表した韓国企業・ユハンキンバリーに問い合わせてみた。ユハンキンバリーはおむつや生理用品、トイレットペーパーやティッシュなどを販売、世界52カ国に輸出する、韓国を代表する衛生・健康用品メーカーである。
いただいた資料によるとこの「HUGGIES 福パンツ」は、2009年の新年に合わせて登場、伝統的な韓服(日本でチマチョゴリと呼ばれるもの)、そして「福」をモチーフにした、まるで韓服を身にまとうようなファッショナブルなおむつである、とのことだ。このような韓服デザインのおむつを作ったのは、世界でも同社が初めてらしい。
広報担当の方の話によれば、ユハンキンバリーでは2007年から毎年、「ジーンズおむつ」「ソルビム(お正月の晴れ着)おむつ」といった限定エディションのデザインおむつを発表しており、世界的に不景気な2009年は、皆様のもとに福が訪れるよう「福おむつ」を採用した、ということ。
ポイントは、デザインとしてあしらわれた「福」という漢字だ。写真のように、「福」の字がところどころに描かれている。また、おしりのど真ん中にどんと大きく「福」と書いてある仕様もあり、赤ちゃんが着ると、見てる方の力が抜けそうになるほどかわいらしい。
余計な駄洒落など必要とせず、おむつのデザインが福そのものだったのである。よくよく考えると当たり前の話だけれども。
では、なぜ台湾が販売エリアに含まれるのか、ということだ。
担当の方に質問すると、「漢字を使う国だからです」と、意外だが実に単純明快な答えが返ってきた。なお、中国も同社の販売エリアではあるが、市場が大きすぎ、限定生産した数量では足りないということ。
日本で手に入れるのは難しそうだが、漢字を使う日本人も、福おむつで福を授かる権利はある、というわけだ。
数量限定商品のため、韓国と台湾で2月までの販売になる予定という福おむつ。
韓国では既に市場に出回っており、自慢の赤ちゃんに福おむつを履かせたり、ある時は帽子のようにかぶらせたりして、キュートな写真をブログにアップし喜ぶ、ママブロガーの姿も見られる。
新暦正月よりも旧正月を重要なものと考える韓国では、旧正月に韓服を着て、と考える人も少なくない。来る2009年1月26日の旧正月は、韓服の代わりにこの「福おむつ」を履いて参戦する赤ちゃんも現れることだろう。
(清水2000)