デパートにて。

「領収書ください」
「かしこまりました。
少々お待ちください」
店員さんがどこかに消え去り、数分経過……。

デパートでのこんな経験、したことはないだろうか。

これ、ちょっと前の『きらきらアフロ』でも、笑福亭鶴瓶が「どこ行くね〜ん!! 領収書、そこで書いてくれはったらいいんちゃうんか!」みたいなツッコミをしていたのだが、私も以前から領収書をお願いすると、いったいどこに行くんだろう? と、気になっていた。

ちなみに、「レシートタイプはすぐ出せるけど、手書きのものとなると、店員さんが遠くにとりにいってしまう」というパターンの店も多いが、ここで疑問。

なぜ手書きの領収書だと遠くに消えていくの? 手書き領収書だと、どんな処理の違いがあるの?

日本百貨店協会に聞いてみると……。
「領収書をどこで発行するかの違いは、各店で決めているもので、何か統一ルールがあるということではありません。
大規模小売店などは集合レジ、サービスカウンターなどで発行していますが、百貨店では領収書をレジで出すところのほうが多いのではないでしょうか」
とのこと。

確かに、近年、新しいレジを使用している店においては、自動的にレジから領収書が出るというところは多い。
だが、自動ではないとはいえ、手書きの領収書だけ遠くにとるに行くのはなぜなのだろう。
レジから出るレシートタイプの領収書も、確定申告などに使える正式に通用するものだというのはわかるけど、「感熱紙だと消えてしまうかも」という不安も、ときにはある。
「それは単純に、領収書の用紙がそこにないからではないでしょうか」
そんな理由で!? と思うが、そこにはおそらく「税金の問題があるのでは?」ということだった。
「収入印紙の関係ではないでしょうか。
レジで打ち出した場合、自動的に印紙が交付され、納税されるようになっています。それをお客様にお渡ししていないと、『200円の印紙を発行していない』という不交付の状態になり、処理していないことになってしまうんですよ」
つまり、手書きの領収書をお願いすると、「自動的に交付される収入印紙をいったん中止して破棄し、手作業で処理する」という手間が生じることになるらしい。

ちなみに、収入印紙は3万円以上100万円未満の場合に200円の印紙税を納めるように決められているが、3万円未満は非課税。また、家電量販店などでは、お店で一括処理されるため、印紙は省略されることが多く、クレジットカードの場合は現金を受け取っていないため、印紙は必要ないことになるわけだけど……。

基本的にはやっぱり「手書きの領収書を各レジで用意していない」「集合レジでまとめて処理することになっている」という理由が大きいみたいです。
(田幸和歌子)