寒さも和らぎ、だいぶ過ごしやすくなってきた今日この頃。アウターが無くても大丈夫な季節の到来だ(夜になるとまだ寒いですが)。


となってくると、我が家の洋服内では、スウェットパーカ(以下パーカ)が一気に主役に躍り出る。やはり春先はパーカがドンピシャ。

さて、そのパーカだが、ポケットがついているのはご存知かと思う(ついていないタイプもあります)。ちょうどお腹のあたりにあり、両サイドから手を入れることができるというのもの。

ズボンなどについているポケットとは随分と形状が違うが、このポケットには何を入れているだろうか?

私は手を突っ込む用だと思っている。両サイドがガラ空きで、物を入れると落ちてしまいそうで恐いのだ。何かを入れたままで走ろうものなら、「確実に落ちる」とすら思っている。要するに、物入れとしてはまったく信用していない。

やっぱり、入れるとしたら手に限る。モコモコしてあったかいし。

正式にはどうなのだろう? 手を入れる用? それとも物入れ用?
「どっちでもいいか」と思いつつも、知り合いのスタイリストにチラリと聞いてみた。

「どっちでもいいと思いますよ。
好きなように使えば」とのこと。

どっちでもいいのはごもっともなんですが、もうちょっと詳しく……。

「服の前面に貼り付けられているポケットは『カンガルーポケット』なんて言ったりします。ただ、パーカのポケットは、切り口が縦になっていて、両サイドから手を入れられるようになっていますよね。そういったポケットは『マフポケット』と言うんです。個人的にはパーカのポケットは『マフポケット』だと思います」とのこと。

へえ、「マフポケット」って言うんだ。

「マフという手を暖めるための服飾品があるんですが、それをデザインとして取り入れたのが『マフポケット』です。腹部の左右に縦のポケット口があるのが特徴で、パーカの他にもピーコートにつけられたりします」とのこと。

手を暖めるための服飾品であるマフをポケットにしているってことは、やっぱり手の暖を取る用のポケットなのだろうか?

「そうです、『マフポケット』は『ハンドウォーマー(手を暖める)・ポケット』とも呼ばれることもあるくらいですから」

なるほどね、やっぱりあのポケットは「うー寒い」なんて言いながら、手を突っ込むのがお似合いなわけだ。

「まあ、物を入れても問題は無いと思いますよ。左右から手を入れられるので、物を出し入れしやすいですしね。
『マフポケット』ではなく、『カンガルーポケット』と表記されることもありますし。ただし、普通のポケットと違い、縦に切り口があるので、物が落ちないように注意は必要ですが」とのこと。

ということで、パーカのポケットに物を入れる場合には、落とさないようにご注意を。

ちなみにファッションの総合辞典である文化出版局の「ファッション辞典」によると、パーカとはフードがついた上着の総称。元々はイヌイットが着用した、トナカイの毛糸製でフードつきの防寒用上着を指す言葉なのだそう。

元々はイヌイットの防寒具だったのかぁ。イヌイットの方々は、何に使ってらっしゃるのかな、ポケット。
(ドープたつま/studio woofoo)
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