小学生の娘のまわりをふと見ると、「一人っ子」がずいぶん少ないことが、気になっていた。

これまで一人っ子だった子にも、徐々に「妹」「弟」ができ、気づくと、兄弟姉妹のいない子がほとんどいない状態である。

ちなみに、一人っ子どころか「3人きょうだい」「4人きょうだい」も、自分の周りにはけっこういる。
もちろん地域にもよるだろうし、世代による部分もあるのかもしれないけど、もしかして「少子化」とは言われていても、「一人っ子」って少ないの?

厚生労働省の人口動態・保険統計課に問い合わせたところ、「国勢調査ならわかるのでは?」と総務省統計局を紹介してもらった。

そこで「参考」として教えてもらったデータが、平成17年国勢調査「労働力状態、就業者の産業、就業時間など(第2次基本集計)全国結果 報告書非掲載表」の「第12表 世帯の家族類型、夫の年齢、子供の有無・数・年齢別夫婦のいる一般世帯数、一般世帯人員及び親族人員」である。
これによると、全国の「夫婦のいる一般世帯」29,338,243軒のうち、「子どもあり」が18,477,711軒、そのうち「子どもが一人」の世帯は8,608,549軒という結果となっていた。ちなみに、「子どもが二人」は7,527,294軒、「子どもが三人」は2,074,758軒、「子どもが四人以上」は267,110軒、「子どもなし」は10,860,532軒となっている。

つまり、子どものいる世帯のうち、「子どもが一人」は約46.6%。
やっぱり「一人っ子」は多いのか……。
「ただし、これは『夫婦のいる一般世帯』のデータですので、それは一概には言えません」
と担当者。

そこで、さらに調べてみたところ、厚生労働省が2001年1月10日から17日の間及び7月10日から17日の間に出生した子を対象として行った人口動態調査の長年にわたる追跡調査「21世紀出生児縦断調査」を発見。
「1月生まれは平成18年8月1日、7月生まれは平成19年2月1日(対象児の年齢 5歳6か月)」を調査期間とした「第6回調査」の「きょうだい構成の変化」によると、総数35,632人のうち、第1回調査では「ひとり」が17,391人だったのに対し、第6回では5,810人まで減少。
ちなみに、「一人っ子」の推移だけ第1回から第6回まで追うと、17,391、16,451、12,180、8,600、6,781、5,810と、順調に「きょうだい」ができていっていることがわかる。

ちなみに、第6回のデータだけ見ると、「一人っ子」はなんと約16.3%だけ!
「弟妹のみ」が11,640人で「兄姉のみ」が14,757人、「兄弟姉妹あり」は3,425人だった。

つまり、このデータだけ見ると、「一人っ子」は割合としてかなり少ないわけで、にもかかわらず「少子化」と言われるのは、「結婚しない人」「結婚しても子どもをつくらない人」もかなり多いから、という推論ができる。

とはいえ、「子どもがほしくてもなかなかできない人」「二人目がなかなかできない人(二人目不妊)」もいまは多いわけで、事情を知らない人に「きょうだいがいないと可哀想だよ」などと言われて傷ついている「一人っ子の親御さん」もいるということは、お忘れなく。
(田幸和歌子)