料理のレシピに塩コショウ少々などと書かれていると、「少々とは具体的にどれくらいなんですか?」と、青木さやかばりにツッコミたくなってしまうのは筆者だけではないだろう。

そんな探究心おう盛な人々にとって、ヘアスタイリング剤の「適量」がどれくらいなのか、ということは永遠の課題の一つである。
筆者の場合、ギャッツビーのヘアワックスを愛用しているのだが、適量とは具体的にどれくらいなのだろうか。

まず、自分の髪の毛で試してみる。いつも使っているヘアワックスを、自分の髪の毛に量を変えてつけてみた。上の写真がその様子である。向かって右のトンガリ(やや下向き)は毛先にだけワックスをつけて、左のトンガリには毛の根元にだけワックスをつけた。真ん中のトンガリには、根元から毛先までベトベトにつけた。


この状態で、近所をぶらぶらと散策した後、家に帰って毛の様子を見てみたところ、右のトンガリはフツーの毛と見分けがつかないくらいにへたってしまっていた。左のトンガリは、一応トンガリをキープしていたが、最初ほどの元気はない。唯一、真ん中のトンガリだけが、つけたときとほぼ同じ形をキープしていた。やっぱり、ワックスはたくさんつけた方が、キープ力があるみたいだ。

一方で、ネットで色々調べてみると、「ヘアワックスの適量は小豆大くらいの量である」という記述が目立つ。もっとたくさんつけた方がよさそうな気がするんですけど……。
ということで、メンズコスメブランド「ギャツビー」の担当者に聞いてみた。

「小豆大というのは、一度に手につけるのに適切な量です。ワックスを一度に大量につけますと、同じ個所にかたまってしまい、うまくスタイリングができません。小豆大を手全体に伸ばしてから髪の毛につけ、足りないと思ったら、再び同じ量を手にとる、といったように、少しずつつけていくのが上手なセット方法です」

なるほど、一度に手に取る量が小豆大くらいなのはわかりました。では、トータルのワックス量として適切なのは、一体どれくらいなんですか? と食い下がってみると、「どんなヘアスタイルになりたいかによって変わるので、一概には言えません。ヘアスタイルはワックスだけでなく、髪質、量やカットの状態によって変わります。
ワックスだけではご希望どおりのヘアスタイルにできない場合もございますので、カットの際、美容師さんとよく相談し、その髪型にあったワックスの使用方法も教えていただくことをお勧めいたします」とのコメント。僕の髪質、長さなどを事細かに伝えてみたが、答えは同じであった。

ちなみに、ワックスの上手な使い方を聞いてみたところ、「髪の内側から外側へと、根元が立ち上がるように薄く均一につけ、ボリュームを出したい時はなるべく根元につけないで、髪の内側の部分から、下から上に持ち上げるような感じで外側へと仕上げていきます。毛束感を強調したい個所は髪の中間~毛先をつまむように、立上げたい個所は髪の根元をにぎるようにして細部を仕上げてください。ただ、ワックスの種類によっても変わるので、詳しくは商品の説明をよくお読みください」とのことであった。

ヘアワックスは、一度に手につける量としての適量はあるが、全体量としての適量は、自分で探すしかない。
学問同様、オシャレも王道は無いのであった。
(珍満軒/studio woofoo)