我が家では、ハンバーグもピーマンの肉詰めも、ミートソースもコロッケも、使うひき肉はたいてい「合びき肉」。

この「合びき肉」って、通常、スーパーで購入するときには、その割合は表示されていないことがほとんどだが、スーパーのチェーン「サミットストア」では、ちょっと変わった表示をしているのをご存じだろうか。


「牛7・豚3ぐらい」

牛と豚の割合を表示するのみならず、「ぐらい」と付け加える正直さ。これっていったいいつからなのか? サミット株式会社に聞いたところ、
「『牛豚ひき肉(牛7・豚3ぐらい)』という商品がいつごろから販売が開始されたかというと、もう20年以上前からになりますが、正確にはわかりません」(精肉部バイヤー)
食品の偽装表示などが多発した近年ならともかく、なんと20年以上前からの表示だとは。

ところで、なぜ「牛7・豚3」の商品をメインにしているのか。
「『牛豚ひき肉』はハンバーグに使用することが多いという前提で、ハンバーグをつくる場合、一般的に『牛7豚3の割合のひき肉が良い』と言われているために、当社では牛豚ひき肉は牛7:豚3をメインに販売しています」
このひき肉、店内で加工していることもあり、「鮮度が良い」と好評だそうだが、「ぐらい」という珍しい表現を表示に用いている理由については「若干の誤差はあるため」という説明だった。

そういえば、『NHKためしてガッテン』でも「ハンバーグ」の特集の際には毎回、「合びき肉は7:3」と強調している。
こういった影響もあり、やはり合びき肉の割合にこだわりたい人も多いだろうけど、そもそも表示義務はないんですよね?
「合びきの割合の表示については、食肉公正競争規約によれば『種類の異なる食肉を事前に混合したひき肉については、混合比率の多い順にその食肉の種類を記載する』とされています。割合まで表示する義務はありませんが、割合の多い順に表示しなければなりません」
たとえば、国産豚6:国産牛4の合びき肉の場合、「国産豚・牛ひき肉」という表示になるのだそうだ。

ところで、表示はされていないものの、一般にはどういった割合の商品が多いのか。
「メーカー情報によると、配合は『牛7:豚3』『牛6:豚4』『牛5:豚5』等ありますが、やはり『牛7:豚3』が多いようです」

本来、表示義務はない「合びき肉の割合」。でも、正直な表示は、消費者にとってはちょっと嬉しいところです。
(田幸和歌子)
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