パスタやサラダ、炒め物に入れたり、スープに入れると良い出汁が出たり……と、何かと便利なウィンナー、ハム、ベーコン、ソーセージなどの加熱食肉製品。
だが、これらの使われ方は、大きく二分されることが多い気がする。

それは、加熱するか否かということ。

「ハムはそのまま食べることも多いけど、ウィンナーやベーコンは加熱して食べる」という人はけっこう多く、同様の意見・疑問がネット上の質問に多数出ていたりする。
また、ベーコンの業者のウェブサイトなどでも「そのまま食べられる生ベーコン」「切ってそのまま食べられるベーコン」などと謳うものが多数見られる。つまり、一般的には「加熱して食べるもの」という扱いだ。

これってそもそもなぜなんだろうか。ニッポンハムに聞いた。

「ハムやソーセージは基本的にそのままで問題ないですが、ウィンナーやベーコンも加熱食肉製品なので、基本的にはそのままでも全然大丈夫なんですよ。ベーコンやウィンナーは加熱しないといけないと思っている方は『生肉』のような印象を持っている方なのでしょうか」(広報IR部)

生ハムは非加熱食肉製品だが、温度管理・食肉法など法律で決まっているため、そのまま食べる食品である。
だが、それ以外の製品は、もともと加熱工程を含んでいるため、基本的には加熱しないでそのまま食べて良いのだという。
「ただ、より美味しく召し上がっていただくために……と考えると、たとえば、シャウエッセンは袋からそのままパクッと食べて問題ないですが、加熱したほうが美味しいという方はいます。また、ベーコンも、焼いてジュワーッと肉汁が出たり、出汁がわりにしたりというほうが美味しいという方もいるでしょう。これらは個人の好みの問題もありますので」
ちなみに、ニッポンハムのロングセラー商品「ウィニー」は、焼いて食べる人ももちろん多いが、「フライパンで焼かずにそのままお弁当に」という人も同様に多いという。


ところで、「そのまま食べても良いもの」「加熱して食べるもの」の違いについては、
「無塩せきの場合など、ごく一部の商品で『必ず加熱して召し上がってください』としっかり書いてあります。それ以外は基本的にそのままで大丈夫です」
つまり、ごく一部、加熱が必要な商品にはその説明が書いてあるので、特別な注意書きがない限り、ウインナーもベーコンも「そのまま」で大丈夫ということ。

ちなみに、この質問について、広報IR部担当者はこんなコメントをくれた。
「ウィンナーやベーコンを加熱しないといけないというイメージは、正直、わかりません。メーカーとして、お召し上がり方、メニューなども、ウェブサイトを含めて情報発信していかなければと思った次第です」

ウィンナーは朝食時、さっとボイルして、あるいはフライパンで焼いて。また、ベーコンは、カリカリに焼いて――。
「加熱しなければいけない」と思っている人は、好みはもちろん、定番の朝食風景によって、イメージを刷り込まれているところもあるのかも。
(田幸和歌子)