こないだハンコを押したら、力いっぱい押しすぎて端の方が欠けてしまった。銀行口座につかっているものだったので、かなりショックである。


力いっぱい押すとハンコが欠けてしまうし、かといって力が弱いと印影が欠けてしまう。意外と奥が深い、ハンコのベストな押し方について考察する。

まず、どれくらいの力をかけるのが適切なのかを、捺印マット販売元の(有)イコーワークスに問い合わせてみた。担当者の方によると、「ハンコの材質や大きさにもよりますが、通常の捺印マットの上で押印する場合、およそ5~20キログラムの力をかけるのが適切だと言われています」とのこと。成人男性の腕の重さが3~4キログラムであるといわれているので、ハンコにはかなりの重みがかかると言える。また、20キログラムというのは、「かなりギューッと力を入れ」ないとかからないらしく、社印などの大きなハンコの場合は相当、がんばらないといけないようだ。


この押印の動作を行う上で、もっとも疲れるのはどこかというと、指先。ハンコが滑らないよう、ギュッとつかむ必要があるからだそうで、指の腱が相当疲れるらしい。指先以外でも、人によって微妙に力の掛け方が変わるため、肩こりになったり、腹筋が痛くなったりすることもあるみたいだ。

また、単に力をかければよいというものではなく、ハンコ全体に均一に力をかける必要がある。イコーワークス担当者さんによると、「不慣れな人の場合ですと、押印面に目線がいき、ハンコが斜めになってしまいがちです」とのことで、垂直に押すためのトレーニングもある程度必要なようだ。よい方法としては、指先で「の」の字を書くように力を入れるというのがある。
しかし、これをやりすぎるとハンコの端に力がかかりすぎて、ハンコが欠けてしまうこともあるので、注意が必要である。

大事な契約書にハンコを押すとき、キレイな印影を残すためにはそれなりのトレーニングが必要なのだ。とはいえ、「印影は多少かすれていても、一部が欠けていたりしなければ大丈夫ですので、あまり神経質にならなくてもよいかと思います」とのことであった。

ちなみに、イコーワークスでは、材質がスポンジで表面がゆるやかな球面型状になっている捺印マット「捺印革命」を販売されており、これを使うと、従来の1/5~1/20くらいの力でハンコが押せるようになるとのこと。ハンコを押す練習をする暇のない!? 人は使ってみてはいかがだろう。
(珍満軒/studio woofoo)