雨の季節がやってくる。筆者は長傘を持って歩くのが億劫で、いつも折りたたみ傘を使っている。
これ、持ち運びには便利なのだが、スーパーやレストランに入るときには、逆に悩みの種になってしまう。

雨の日、大きな店舗の入口には、ビニールの傘袋が置かれているもの。筆者の折りたたみ傘は三つ折り式で、傘を閉じると自動的にたたまれた状態になるのだが、ビニールの傘袋に入れようとしてもなかなか入らない。無理に詰め込むことはできるが時間がかかる。だから、諦めて手に持ったまま入ってしまうこともある。どうして、折りたたみ用の傘袋を置いてくれないのだろう。
ある大手スーパーに聞いてみた。
「(傘袋は)床面が濡れてお客さんが転ばないようにサービスで置いているものですが、折りたたみ傘で困っている、という声はありませんね」
と、冷ややかな回答。みんなは困っていないのだろうか。周囲に聞いてみたところ、次のような答だった。

「水気をよく切って、(元々傘に付いている)袋に入れちゃう。そしてカバンの中にポイ」これが一番多い回答だった。
案外カバンは濡れないのだというが、そのまま忘れてしまうと、次に使うときにクシャクシャのカビ臭くなった傘が出てくるのが難点だという。次に多かったのが「ビニール袋に無理やり詰め込む」。そして、「手に持って歩く」も何人か。その他、「折りたたみ傘は使わない」「面倒なので二つ折り式しか使わない」などだった。

ところで、片手で簡単に傘をビニール袋に入れられる「傘ぽん」という装置をご存知だろうか。雨の日、建物の入口で時々見かけるが、この傘ぽんには折りたたみ傘対応タイプがあるという。
発売元の新倉計量器株式会社に聞いてみた。
「(この製品は)大手スーパーさんより百貨店さんにニーズがありますね。まだ台数はあまり出ていませんが、設置された百貨店さんでは、サービス面で好評だそうです」

さてここで、ある雨の夜、某スーパーの前でしばし実態を観察してみることに。ここには傘ぽんは置かれておらず、ビニール袋がぶら下げてあるだけだ。この日は降水確率100%の予報が出ていたせいか、ほとんどの人が長傘持参で、うち6~7割が傘袋を利用、あとはそのまま店内に持ち込んでいた。この間、折りたたみ傘で現れたのは2人だけ。
1人はそのまま手に持って入り、もう1人は筆者同様、小さくたたんでビニール袋に詰め込んでいた。清楚な感じの女性で、何となく親近感を覚えてしまった。

そんなわけで、折りたたみ傘で悩んでいる人はさほど多くない模様。それでも筆者は雨の日、傘の扱いが面倒で寄り道をためらう。さて、みなさんはどうですか?
(R&S)