「い~つくしみふか~き~ と~もなるイエスは~」

これは賛美歌312番、「いつくしみ深き」という歌。教会で結婚式に参列すると、新郎新婦が入場した後、この賛美歌を歌うことが多いので知っている人も多いかと思う。


教会での結婚式には賛美歌はつきものなのだが、その選曲は式によって様々だったりする。例えば、上の「いつくしみ深き」はかなり定番の歌だが、その後、指輪交換の後などで歌うのは、ある式では430番「いもせをちぎる」だったり、またある式では541番「ちちみこみたまの」だったりする。このような選曲は、誰がどのような基準で行っているのだろうか?

そもそも賛美歌とは、キリスト教において、礼拝や集会などで歌われる、神をたたえる歌のことである(もちろんカトリック、プロテスタントなどの宗派によってその位置づけは少しずつ異なる)。ある教会に問い合わせてみると、「どの賛美歌を歌うか、ということは、どのような祈りを込めるか、ということに関わる重要な問題ですので、挙式での賛美歌の構成は、教会ごとに決められているのが普通です」とのことであった。

では、自分の結婚式で歌う賛美歌を、教会で決められているものから変更したりすることは可能なのだろうか? いくつかの教会に問い合わせてみたが、これは教会によってまちまちのようだ。例えばあるチャペルでは「当チャペルでの挙式では、賛美歌は312番と430番に決まっておりまして、変更を行うことはできません」とのことであったが、別の教会だと、「変更するは可能ですよ」とのことであった。また「変更は可能ですが、曲の指定料として1万円をいただいております」という教会もあった。賛美歌は、教会ごとにある聖歌隊が演奏・斉唱をするのだが、選曲を変えると、聖歌隊の方々が調整する必要があるため、料金が発生する場合があるのだそうだ。もちろん、どんな賛美歌にでも変更できるわけではないし、変更するにはきちんとした理由が必要である。

ちなみに、「いつくしみ深き」の歌詞は、作詞者の婚約者が結婚直前に亡くなった時、作詞者が悲しみの中で書かれたものだといわれている。悲しみや困難が夫婦に訪れたときに、イエス・キリストはいつでも見守っていますよ。そういう思いが込められている歌なのだそうだ。

(珍満軒/studio woofoo)
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