スキャナーといえば、もっぱら文書や写真を画像データ化するのに使うもの。だが、文書も写真もデジタル化が進み、その役割は終わりに近づいている。現実に、あまり使わなくなっていると思う。
しかし、スキャナーは挟み込めるものならなんでも画像にできるわけなので、デジカメの代わりになると気づいた。
「そうだ、押し花写真でも撮ってみよう」と思いついた。スキャナーに花を挟んで画像にしようというのだ。
押し花写真の特徴は、屋外に咲いている花をデジカメで撮るのとはちがい、好きな花をいろいろ組み合わせができ、また、背景を差し替えるのが可能なこと。
実際、近所で摘んできた花をスキャナーの原稿台に載せ、読み取ってみた。すると、鮮明に花がモニターに映し出された。しかし、そのままスキャンすると背景が白なので、どうも殺風景な感は否めない。
そこで、花の上にアルミホイルを被せてみた。
このように、組み合わせを替えることで、写真のテイストをいろいろ選べる。同様に机の上に紙を敷いてデジカメで撮ることも可能だが、背景を替えるときに花をすべて取り除かないといけないのでちょっと不便。
スキャナーで撮ったほうが、押し付けた感じが出るし、ピント合わせも照明も不要なので、とてもお手軽だ。
デジカメを持っていかなくても、旅の想い出として持ち帰った花を自宅のスキャナーで押し花写真にできる。
花だけでなく布の切れ端などを使ってデコレートしてみてもおもしろいだろう。
スキャナーの便利さをあらためて実感。処分してしまおうと思っているスキャナーがあったら、その前に一度、押し花写真(挟めるものだったらなんでも)を試してみてはどうか。
(羽石竜示)