世界的な日本食ブームになって久しい。いまや海外で寿司屋を見かけることは珍しくないし、ラーメン屋や居酒屋も増えている。


ところで、もし海外の人に「代表的な日本食は?」と聞かれたら、いったい何を挙げるだろうか。

先日、農林水産省が「世界が認める日本の食150」を策定した。これは海外における日本食材の認知度を高め、輸出を促進していくことを狙いとしたもの。この結果がなかなか興味深い。

まず「日本食10選」では、多様な日本料理等の中から代表的な10種類が選ばれた。結果は以下のとおり。
(1)みそ汁・すまし汁(うまみ・だし)、(2)すし・さしみ、(3)鉄板焼き・すきやき・しゃぶしゃぶ(肉料理)、(4)てんぷら、(5)精進料理・豆腐(野菜料理)、(6)ごはん・炊き込みごはん、(7)麺類、(8)フルーツ、(9)日本酒・焼酎、(10)日本茶+和菓子。

だいぶざっくりしたくくりである感も否めないが、確かにどれも日本を代表する味ではある。

一方、「加工食品40選」はより具体的だ。加工食品のうち、とくに輸出取引が容易なものから、海外の方々の味覚に合う商品をコンテストで選考。253品のエントリーから、40品が入選した。ちなみに輸出促進という目的をふまえ、賞味期限が4カ月以上であることなどが条件になっている。


一例をあげると、株式会社 紀文食品の「チーちく」、エスビー食品株式会社の「とろけるカレー(200g)」、日清オイリオグループ株式会社の「ヘルシーリセッタ(600gPET)」など。

「260gスーパーフレッシュ柿の種6 個装」(亀田の柿の種)が40選入りした亀田製菓株式会社に話を聞くと、
「『亀田の柿の種』ブランドに対する高い評価を再認識いたしました」
とコメント。同社では2008年4月、アメリカのカリフォルニア州にKAMEDA USA社を設立。現在「亀田の柿の種」のアメリカ版「Kameda Crisps」をテスト販売しているという。商品は日本から「亀田の柿の種」を輸出し、アメリカでピーナッツを混ぜてパッケージするスタイル。アメリカでのヘルシー志向の高まりを受け、売上げは順調に伸びているそう。


また、「日本食10選」「加工食品40選」と共に、「輸出取組事例100」も発表。日本各地で農林水産物などの輸出に取り組む事例を紹介するもので、すでに昨年も実施している。今年新たに策定された「日本食10選」は毎年更新するようなものではないが、「加工食品40選」の扱いについては今のところ未定とのこと。

日本食の人気と共に、いわゆる“なんちゃって日本食”も増えている昨今。いずれにせよ、海外に日本の食がPRされるのは好ましいことといえそうだ。
(古屋江美子)