自分たちが子どもの頃は、小学校入学早々に習った気がする「とけい」。
おはじきや時計が入った「さんすうセット」をもらうと、ひたすら時計の針を手でグルグル回すとか、おはじきを転がすとか、幼児の延長線上のような遊びに興じていた……という人も多いのではないだろうか。
ところで、かつて「コネタ」記事でも触れたように、いまの子どもたちは互いの約束ができるまでにいくつものハードルがあったり、「時間の感覚」を身につけるまでに苦労するケースが多い。
これには犯罪の多さから、幼い子どもだけで出歩くことが減っていることなどが背景にあるようだが、それに加えて、ある教員はこんな指摘をしていた。
「現行の学習指導要領では、算数の学習で『時計』が1年生で行われていないこともあると思いますよ」
確かに、昔は1年生で習っていたけれど、いまは時刻の読み方が「2年生」の学習となっている。
これは10年毎に改訂される学習指導要領によるものだが、平成23年4月1日から全面実施される「新しい学習指導要領」(算数・理科は21年4月より移行措置として前倒し実施)では、再び1年生の学習となるという。
ちなみに、「時間の単位」(日、時、分)は小3から小2に移行される。
これってやはり「時計は日常生活で必要だから、早めに学ぶべき」という判断から? 文部科学省に聞いてみると……。
「学習指導要領では、その学年で必要なもの・必要でないものを様々な角度から決めていますが、『時刻の読み方』は現行では2年生が適当であるとされていました。それが、今回の改訂で『1年生で必要』とされただけです」(学習指導要領担当者)
「時計」は実生活において必要なもののため、やはり1年生で……となったということ?
「実生活でのかかわりでいうと、時計やお金など、かかわりが深いものはたくさんあります。いろいろな意見があるなか、そういった必要性を加味されて決まったということです」
ところで、どういった学習をどの段階でやるかというのは、当然ながら、子どもの発達度合だけでなく、トータルの授業数などによる部分も出てくる。
「たとえば、週5日制になったとか、授業数が増えたとかで、その教科に何時間かけられるかが決まってきます。あとは、学年ごとの学習内容のバランスをとるということもあります」
一概に発達度合と難易度で決めるわけにもいかない「学習内容」だが、それでも一時的に2年生の学習とされていたものが1年生に戻ったのは、やはり「必要性」によるところが大きいはず。
今回の改訂で大きく謳われていることのひとつに、「生きる力をはぐくむ」という項目があるけれど、やっぱり「時間の感覚」は、生きるうえでかなり優先順位の高いものなんじゃないでしょうか。
(田幸和歌子)
おはじきや時計が入った「さんすうセット」をもらうと、ひたすら時計の針を手でグルグル回すとか、おはじきを転がすとか、幼児の延長線上のような遊びに興じていた……という人も多いのではないだろうか。
ところで、かつて「コネタ」記事でも触れたように、いまの子どもたちは互いの約束ができるまでにいくつものハードルがあったり、「時間の感覚」を身につけるまでに苦労するケースが多い。
これには犯罪の多さから、幼い子どもだけで出歩くことが減っていることなどが背景にあるようだが、それに加えて、ある教員はこんな指摘をしていた。
「現行の学習指導要領では、算数の学習で『時計』が1年生で行われていないこともあると思いますよ」
確かに、昔は1年生で習っていたけれど、いまは時刻の読み方が「2年生」の学習となっている。
これは10年毎に改訂される学習指導要領によるものだが、平成23年4月1日から全面実施される「新しい学習指導要領」(算数・理科は21年4月より移行措置として前倒し実施)では、再び1年生の学習となるという。
ちなみに、「時間の単位」(日、時、分)は小3から小2に移行される。
これってやはり「時計は日常生活で必要だから、早めに学ぶべき」という判断から? 文部科学省に聞いてみると……。
「学習指導要領では、その学年で必要なもの・必要でないものを様々な角度から決めていますが、『時刻の読み方』は現行では2年生が適当であるとされていました。それが、今回の改訂で『1年生で必要』とされただけです」(学習指導要領担当者)
「時計」は実生活において必要なもののため、やはり1年生で……となったということ?
「実生活でのかかわりでいうと、時計やお金など、かかわりが深いものはたくさんあります。いろいろな意見があるなか、そういった必要性を加味されて決まったということです」
ところで、どういった学習をどの段階でやるかというのは、当然ながら、子どもの発達度合だけでなく、トータルの授業数などによる部分も出てくる。
「たとえば、週5日制になったとか、授業数が増えたとかで、その教科に何時間かけられるかが決まってきます。あとは、学年ごとの学習内容のバランスをとるということもあります」
一概に発達度合と難易度で決めるわけにもいかない「学習内容」だが、それでも一時的に2年生の学習とされていたものが1年生に戻ったのは、やはり「必要性」によるところが大きいはず。
今回の改訂で大きく謳われていることのひとつに、「生きる力をはぐくむ」という項目があるけれど、やっぱり「時間の感覚」は、生きるうえでかなり優先順位の高いものなんじゃないでしょうか。
(田幸和歌子)
編集部おすすめ