どんどん暑くなっていくと、人間だけでなく「デジカメも夏バテするのでは」と心配になるのは私だけだろうか。
気温の上昇がデジカメをオーバーヒートさせる恐れはないのか、メーカーのカシオ計算機に聞いてみた。


使用していると、だんだんデジカメのボディが熱くなっていくのを感じるだろう。この現象について、
「撮像素子、画像処理LSI、リチウムイオン電池など、自己発熱する部品を使用しているため、環境温度以上に製品温度が上昇してしまうのです」とカシオ。

そうならば、オーバーヒートが原因で故障しやすいデジカメパーツがあると思うのだが。これに対し同社は、
「一般的な環境温度(0度~40度)の使用で故障を起こす部品はありません」という。

しかし、本当にボディが熱くなるまま使い続けていいものだろうか。
「当社製の現行ラインアップのデジカメでは製品の内部温度を監視しており、内部温度が過度に上昇した場合には『ALERT表示』あるいは『強制動作停止』するようになっています。なので、これらの警告が無い限り、使用上の問題はありません」
なるほど、そのような隠れた機能があって、温度の上昇からデジカメを守っていたとは。やはり、過度の製品温度の上昇はデジカメにとって好ましくないわけだ。

さらに、デジカメは使用していないときも危険。カシオは直射日光下や、夏場の車中(特にダッシュボード上)などへデジカメを放置すると、故障のリスクが高まるというのだ。
「直射日光下などで放置時間が長くなると、製品温度が60度を超えるような高温状態になる場合もあります。そのような温度上昇が続くと、樹脂部品の熱変形が起こる可能性があるのです」

環境温度や製品温度の上昇は、精密機器であるデジカメにとっては天敵。
とはいえ、夏はデジカメが大いに活躍するシーズン。想い出に残る写真をたくさん撮りたくなる気持ちは、抑えられるものではない。
カメラを大事に扱うのが苦手なユーザーは、万が一のときに備えてもう一台持っていくことをお勧めする。
(羽石竜示)
編集部おすすめ