とあるテレビ番組で、日本在住のブラジル人が、「日本に来ていちばんビックリしたのは、かつお節をお好み焼きにかけたら、生きているかのようにゆらゆらゆれたことだ」と言っていた。

たしかに、かつお節がゆれるさまは、熱さにもだえる未知の生物にみえなくもない。


このかつお節、外国人だけでなく、結構いろんな人から「コワがられて」いるようだ。外国人以外だと、やはり多いのが、子ども。筆者の知人によると、「5歳の子どもがはじめてお好み焼きを食べたとき、ゆれるかつお節を見て『コワい~』といい、全然食べようとしなかった。冷めてゆれなくなったら、ぱくぱく食べてたけど」とのこと。皆さんの中にも、小さい頃に両親から「これ、生きてるんやで~」と言われ、戦々恐々とした人がいるのではないだろうか(いないか……)。

ちなみに、かつお節がゆれるのは、湯気に触れたときに水分を吸収し、膨張することで少しずつ形を変えていくためである。
この「かつお節のゆれ」については、かつお節を作っているメーカーの方々も、様々なこだわりを持っているようだ。

かつお節やチルド食品を製造販売する、マルトモ株式会社の担当者さんにお聞きしてみたところ、「かつお節が食品の上で美しくゆれるよう、色々と検討をしています。当社の花かつお節の厚さは、およそ20~25マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)です。さらに薄いかつお節を作ることも可能なのですが、生産効率との兼ね合いで、現在はこの厚さで皆様にお届けしています」とのこと。ちなみに、だし用のかつお節は150~1000マイクロメートルだそうで、お好み焼きにかけてもゆれない可能性が高い。

かつお節のゆれについては、「夏休みの自由研究」でも取り上げられることも多い!? らしい。
マルトモの担当者さんによると、「以前当社に問い合わせをしてくれた子が、紙やアルミホイルなど色々な材料をかつお節サイズに切り、ゆれるかどうか確かめるという研究をしていました(マルトモ担当者)」とのこと。アルミホイルはともかく、紙では書道用のものなど、やはり薄いものがよくゆれるようだ。

「美しいかつお節のゆれ方」については、メーカーでも目下研究中とのこと。この夏、皆さんも夏の自由研究で挑戦してみては?
(珍満軒/studio woofoo)