熱川のバナナワニ園は、観光客にも人気のスポットですが、そこにすっごく気になる「非常用ワニ捕獲器具」があるんですよ~。気になって仕方がないので、担当者に思い切って聞いてみましたよ。


広報担当の方に「この非常用捕獲器具は、どのようなときに使えるものなのか?」、「いままで使ったことがあるのか?」と突っ込んだところ、やんわりとこういうお答えが。
「えーっとこれはですね、実際に使うというよりも、万が一の場合でもすぐに対応でき、安全であることをお客さんに理解してもらうために非常用に設置しているんです」

ええ~、じゃあ普段は使ってないんですか? とさらに突っ込んでみたら……。
「ワニが逃げ出したことは、もちろんありません。地震等の予期せぬ災害が起こり、ワニたちの飼育施設が崩壊した場合など、最悪の非常事態を想定して設置しているのです」とのこと。おお~確かに、ここのところ地震が多いですし、そういう危険性もありますね。オープンして50周年の歴史があるそうですが、30年以上前から非常用の捕獲器具は常備。万全の体制なんですねぇ。

ちなみに普段は飼育係さんが非常用のものとは異なる捕獲器具を使って捕獲し、檻から檻まで、移動させているのだそう。体長3メートルクラス以上のワニたちを捕獲器具で捕獲したまま、ロッカーぐらいの大きさの木箱に入れて移動。捕獲する際には前足も取り込むようにロープを掛け、そのロープを箱の中に引き入れ、出すときはその反対側から引き出して、移動。体重も体重なので、10名前後のスタッフで行い、小型のワニの場合は捕獲後、口にテープやロープを巻いて噛まれる危険性を回避して1~2名で移動するとのこと。

ちなみに、ワニが暴れたらどれくらい危ないか? を聞いてみたところ、
「ワニの力は、3メートルくらいの大きさのワニでは、シッポの力は200キロくらい、噛む力は1トンも! ただし、口を開ける力は30キロほど。
口を開閉する筋肉はそのほとんどが噛む際に口を閉じるために使われる筋肉ってことですね」
なるほど、筋肉がそのように使われているとは……。
「また、ワニは体に比べて脳が小さいといわれているのですが、脳のシワの数は爬虫類の中でも多く、頭の良い生き物ですよ!」と担当者さん。
「ワニたちは当園のスタッフでも、エサをくれる飼育係と他のスタッフは見分けますし、飼育係のすることには当然のように一目おいているように思います」と、ワニに対する愛情いっぱいで答えてくれました。

非常用捕獲器具って、使ったことないのか~となんだか意外に思いましたが、使ってないほうがやっぱり安全ですよね……(笑)。
(カシハラ@姐御)
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