ペットとして需要がなくなった養殖のウーパールーパーを、食用として国内や中国に出荷しようという動きがあるという。

ウーパールーパーのからあげや天ぷら、煮付けなどを実際に試食するテレビ番組などを見て、「エーッ!」とショックを受けた人も多いのではないだろうか。
以前、コネタで「ウーパールーパー、再び流行ってるの?」なんて記事もありましたが、80年代のブームほどではないものの、私の周囲にはウーパールーパーをペットとして可愛がっている友人もまだ結構いたりするのだが……。

富山にある『日本生物教材研究センター』という養殖業者さんがすすめているプロジェクトだそうで、とりあえず最新の動きを伺ってみることに。すると、「実は本日、もう九州のある食品業者さんに出荷しました」との衝撃の情報が!!

同センターによると、中国へは乾燥したものを輸出する予定だが、国内で流通させるのは生のウーパールーパーだそう。ペットショップなどで見かけるウーパールーパーは小さな生き物というイメージがあるが、ここでは17~18cm程度にまで育ったウーパールーパーを選び、内臓を抜くという処理を施してから出荷するそうだ。
ちなみに、食べ方としては油で揚げて「丸ごと」食べるのがおすすめだそう。「からあげにすると、おいしいですよ。
味はまあ、ふぐとかすっぽん、あなご等に似ているかもしれませんね」とのことで、あっさりした上品な味わいらしい。

気になるお値段は1匹600~800円ということで、確かにふぐやすっぽんを食べにいくよりは安い! といわざるをえないが、しかし……なお、栄養についてはコラーゲンが含まれているらしく、女性の美肌づくりなどにも効果が期待できるという。原産国のメキシコでは、古来より不老長寿をもたらす食材とされていたとのことでビックリ。

なお、同センターの林社長が食用化を考えはじめたのは、美食家で知られる北大路魯山人の著作に、(ウーパールーパーの仲間ともいえる)オオサンショウウオの肉が美味であったという記述を見つけたことがきっかけだとか。サンショウウオ、という名前も、実は肉に山椒のような風味があることに由来しているのだそうで……
(ちなみに、余談ですが個人的に北大路魯山人=納豆を424回かき混ぜて食べた人、というイメージがあります。魯山人によるとそれがいちばん美味なんだとか。
真似して424回納豆かき混ぜにチャレンジしてみようと思いつつ、まだ果たせていない私……)。

と、そんなわけで、テレビや新聞で報道されたことから興味を示す食品業者さんなどが現れる一方、一般の消費者からはやはり「かわいそう」という声も届いているとか。まあ、それを言ったら牛や豚、ニワトリなんかも食べられなくなってしまいそうだが、ウーパールーパーのあのまるで笑っているかのような、天使のように無垢な表情にどうも罪悪感を感じてしまうんですよね……。あなたは「ウーパールーパー丼」や「ウーパールーパー定食」がメニューにあったら、食べてみたいですか?
(シンディ)