それ以来、オークションサイトなどで探してはコツコツ収集している古い宝くじ。集めていくと、時代ごとに実に様々な券面デザインがあって面白い。
画像付きでご紹介できないのが残念だが、例えば、世界の国々の首都の風景をイラストや写真で紹介する“東京都宝くじ”の「世界の首都めぐり」シリーズ、様々な種類の猫や犬などをリアルなタッチで描いた“関東・中部・東北自治くじ”の「ペットシリーズ」など、一つのテーマに沿ったデザインで連続して発売されたものには、ついついコンプリート欲をくすぐられる。
また、昭和50年代の“東京都宝くじ”では、小島功や馬場のぼる、鈴木義司といった人気漫画家・絵本作家の作品を券面に起用したものが販売されているのだが、どれも1枚の作品として持っておきたくなるような味のあるデザインだ。こういった単発ものにも、魅力溢れる逸品が多い。
昔の宝くじのデザインは個性的で……とばかり書いていると、最近のデザインがいかにも平凡なものばかりであるように聞こえてしまいそうだが、そんなことはなく、今年9月に発売された“第2075回東京都宝くじ”は、「東京オリンピック・パラリンピック招致」を大胆に打ち出したデザインだったし、毎年2月に発売される「グリーンジャンボ宝くじ」のデザインは公募によるものだったりと、目を留めてみれば1枚1枚創意工夫が凝らされている。
そもそも、宝くじのデザインってどうやって決まってるんだろうか? 疑問に思ったので、みずほ銀行宝くじ部・広報担当の方へ質問してみると、「現在、宝くじの図案は各販売元から印刷会社・デザイナー様へ委託している形になっています。そこで上がってきた図案を最終的に私どもの方で確認・決定しております」とのこと。
デザイン上の厳しいガイドラインがあったりするのか伺うと、「やはり多くの方にご利用いただくものですので、あまり暗くなく、明るいイメージのもので、公共性の高い図案ということになります。ただ、もちろん(シリーズもの、イベントPRものなど)各販売元様の意向によって、様々な図案がありますので一概に決まりがあるとは言えないですね」というお答えで、予想以上に自由な幅が用意されているようだ。
最後に、私を含め、宝くじを集めている人がいることについてどう思いますか? と変な質問をしてみたが、「それだけ宝くじに愛着を持っていただけるというのは大変ありがたいことだと思います。購入いただいた上でデザインも楽しんでいただけるわけですから。嬉しいことです」と喜ばれた。「ただ、当せんされている場合、換金期限がありますのでそちらのお忘れにはくれぐれもお気をつけ下さい(笑)」
宝くじを集める。そんな趣味を持てば、12月22日まで発売されている恒例の「年末ジャンボ宝くじ」を購入して、ハズれることがあったとしても心配ない。コレクションが増えたと思えばいいのだから。ちなみに宝くじ収集には、紙幣コレクション用のアルバムが最適とのこと!
(スズキナオ)