ロールケーキの表面がメロンパン風のビスキュイ生地になっており、中身は卵黄をたっぷり使ったフワフワのスポンジという二層構造。中心にメープル味の生クリームが巻き込んであり、なかなかイケる。大阪スイーツといえばシンプルな『堂島ロール』が有名だが、こちらはパンチのある個性的な味わい。なんだかクセになる甘さで、2切れほど一気にたいらげてしまった。
北堀江シャルボンの店長、綱場さんに開発秘話など伺ってみたところ、興毅氏は毎日食べるほどのメロンパン好きで、しかもロールケーキも好きだったことから、「メロンパンとロールケーキがひとつになったら、こんなに幸せなことはない」という希望を元に開発がすすめられたそうだ。特に興毅氏がこだわったのは、「ビスキュイ生地のサクサク感」らしい。
しかし、パンの生地とケーキの生地はつくり方や焼く時の温度などもまったく異なるため、サクサク感とフワフワ感をそれぞれ生かしつつ、スイーツとしての一体感を出すのにかなり苦労したそう。
けっこう厳しいダメ出しなどもあったのでしょうか? と聞いてみたところ、「興毅さんは他人を誉めて伸ばすタイプで、こだわりはあるし妥協もしないが、とっても優しい方」とのこと。いつも試作品を食べる時には「これ、めっちゃ旨いやん!!」ととりあえず誉めてから、「でももうちょっとこうしてくれたらうれしいな」のようにスタッフを気遣いながら意見を述べたという。
また、意外だったのは、興毅氏はエコにも関心が高く、持ち帰り用の袋を紙バッグではなく再利用できるよう、不織布を使ったエコバッグにするなどのアイデアも自ら発案。
「ああいう感性の鋭い方と一緒に何かを創るというのは、スイーツ界の常識にはない発想がいっぱいで、大変でしたが刺激的な経験でした」と綱場さん。ビジネスというよりは、興毅氏の「自分がおいしいと思うものを、みんなにも食べてもらいたい」という想いが込められているのだとか。
と言いつつ、発売後は一日200本は売れる人気商品に。1本1,380円でテイクアウトする他、一切れ400円でイートインも可能だそうで、カフェのお客さんもここ数カ月で1.5倍に増えたという。この黒いエコバッグが大阪土産の象徴となる日も近い……かも?
(まめこ)