最近、行列のできる有名焼肉店で、とろけるような肉を味わって以来、ぼんやりと肉について考えることが多くなった。そんなある日、ネットを通じて偶然出会ったのが「凍大文III(とうだいぶんさん)」という謎なネーミングを持つ珍味肉パック。
中身はワニ・ダチョウ・カンガルー・馬の4種の肉だという。ちょっと怖いが、取り寄せてみることにした。

数日後、自宅に届いた箱を開けると冷凍された肉がごろごろと現れたが、まず(写真上)のパッケージが目に飛び込んできた!少し、うろたえる。数時間かけて自然解凍後、友人宅に集まって、いざバーベキュー!

それぞれの肉を食べやすい薄さにスライスし、とりあえず順番に食べ比べてみることに。味付けには塩と焼肉のタレを用意した。

まず、ダチョウ肉。おそるおそる食べたが、思ったよりクセのない味。タレをつけて食べてみたら「牛肉みたい!」と友人の声。歯ごたえがしっかりしている印象。

次に、カンガルー肉。焼く前から独特の香り。ケモノっぽい匂いというか……。
焼き上げて塩で味わってみると、ダチョウに比べてかなりワイルドで濃厚な味!好き嫌いが分かれるところかもしれない。タレにつけてみるとジンギスカンを食べているような味になった。タレとの相性が良い。

「馬刺し」は居酒屋などでもよく見かけるし、今回のラインナップの中では一番なじみのある馬肉。臭みもなく、さっぱりした味わいで食べやすいが、ダチョウの方が好き! という声多し。すでに珍味肉にハマってきているのか。

で、ワニ肉。勇気を出して食べてみると……あれ、案外クセのない味。鶏と魚の中間のような味わいといったところ。水に棲むワニだから魚に近いのだろうか。食べやすく、友人の間でも当初の予想に反して人気!

たまには、こんな変わった肉もいいねー! と盛り上がりながら食べ比べは続き、シメは、友人の手による「ワニ肉入りうどん」、「ダチョウ肉入り焼きそば」。これが驚くほど違和感なくハマっていた。
様々なレシピで楽しめそうだ。

ちなみに、参加者に美味しいと思った肉を聞いてまわったところ、ワニとダチョウで割れる結果となった。

それにしてもなぜこのようなセットを販売しているのだろう。「凍大文III」を販売されているバセルの長友信氏にお話をうかがうと、「草食系男子という言葉が最近流行っていますが、もっと積極性のある肉食系男子になっていただきたいと思ったのが直接の動機でした。脂肪の少ない良質のたんぱく質を沢山摂取してエネルギーを蓄え、血湧き肉踊る青年男子になってもらおうと」とのこと。ナヨナヨした男たちへの熱いメッセージが込められていたのだ。

冒頭からずっと気になっている「凍大文III」という奇妙な商品名については、「凍った大きい肉を、箱の中に分散(文III)して同梱している点と、東京大学の“文III”をかけてみました。これを食べて受験生に英気を養ってもらい、東大合格を目指して欲しいと思いまして!また、政府が提案している休暇“分散”化の動きを先取りしたネーミングでもあります」、と、かなり複雑なダジャレが折り込まれていた模様……。

セットにされている4種の肉はどれも「低脂肪・低コレステロール」という、嬉しい共通点を持っているので、メタボへの恐怖から普段思い切ってお肉を食べられない私のような者でも、安心して味わうことができそうだ。ちなみに肉の産地は、カンガルー・ワニ・ダチョウがオーストラリア産、馬肉はカナダ産・国内産となっている。

「凍大文III」の販売価格は送料・消費税込みで1万円。少し割高な気もするが……。
その点については、「金額そのものを見るとそうかもしれませんが、こちらはお一人で食べるものというより、若者を中心とした仲間同士や、あるいは家族連れで楽しんでいただくための商品ですので、4人前を前提としたボリュームになっているんです。単純計算ではお一人様2500円になります」とのこと。確かにボリュームはかなりのものだった。バーベキューシーズンは始まったばかり。大勢でワイワイ楽しむ場面に一役買ってくれそうだ!
(スズキナオ)

「バーベキューセット『凍大文III』」紹介ページ *バセル(株)サイト内
電話;03-3767-1456
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