夏休みの行事といえば、「ラジオ体操」。
自分自身は子どもの頃、ほぼ強制的に行かされていたが、独身の友人などに「いまの子どもたちって、ラジオ体操に行くの?」と聞かれることがときどきある。


小学生の我が子は今年も行っているのだが、我が子のまわりや、いとこ・田舎に住む友人の子などのまわりを見る限り、確かにラジオ体操に参加している子どもはかなり少ないよう。

実際、子ども同士が友人宅にお泊まりした際など、付き合いで行った我が子の友人に「初めて行ったけど、なんか面白いね」「行きたくなかったけど、来ると楽しいね」と言われたり、その親御さんに「いまもラジオ体操ってあったのね」「ラジオ体操なんてどこでやってるの?」などと言われたことも何度かある。
ラジオ体操に行かせる親の思いとしては、「強制的に行かせている」という人、「自分も運動したいから、子どもと行っている」「将来、『夏休みのラジオ体操、めんどくさかったなー』などと言える思い出をたくさん持っているほうが良いから、行かせる」といったものなど、様々だったけど……。

ところで、自分が子どもの頃は、「皆勤賞」なるものもあり、町内会や子ども会によってごほうびとして文房具がもらえたりしたが、いまはあまりないようだ。
マンガ『団地ともお 1巻』(小田扉/小学館)にも描かれているが、かつては「皆勤賞で何がもらえるのか」という子どもたちの期待や憧れがある一方で、「皆勤賞=どこにも連れてってもらってない子」みたいな空気が嫌だという思いもあった。
だが、今は地域差もあるが、ラジオ体操に参加する子自体が少ないこともあってか、皆勤賞はなく、「最終日に全員にお菓子などのごほうびをくれる」という町内会などもあり、なかには「カードをもらう最初の日と、ごほうびをもらえる最終日だけ行く」なんて子や、「ラジオ体操には参加していたけれど、最終日に参加できない子の代理として、友達や親が記念品を預かる」なんてケースもけっこうあるよう。


ところで、最近わかったのは、ラジオ体操の実施期間も、所要時間や内容・参加メンバーの傾向なども、会場によってけっこう違うということ。
引越しを機に、実際にいくつかをまわってみて気づいたのだが、比較的若い親子が多い会場もあれば、少数の子どもと大量のお年寄りがいる会場もある。
「6時半までただただ普通のラジオ放送が流れているのを立ったまま聞き、ラジオ体操第1、第2のあと、軽い補助運動だけする」というところもあれば、「ラジオ体操の前後にオリジナルの運動をやって、たっぷり1時間ぐらい行う」ところもある。また、日替わり担当者によって、昔ながらの筋トレをやったり、本格的なストレッチや「手と足別々の動きなどを盛り込んだもの」まであったりと、メニューもいろいろだ。

子どもは少なくなれど、地域や町会などによる違いは様々にあれど、脈々と続いているラジオ体操。
やっぱり今も夏の定番行事です。

(田幸和歌子)