暑い夏こそカレー! と、毎年夏になるとテレビや雑誌でやたらと特集されるカレー。

確かにスパイスの香りに食欲をそそられ、夏バテにもいいらしい。
よし、今日はカレーを食べるぞ! 田端に日本各地の特産物を使ったカレーが味わえるお店がオープンしたと聞き、早速食べに行ってみた。

今年の6月24日にオープンしたばかりのこのお店。店名は「おためし屋」といい、カレー屋っぽくない名前だ。
白を基調とした内装は極めてシンプルでカフェのよう。うーん、ますますカレー屋っぽくない。厨房からはスパイスの香りとかしてこないし。


ここは本当にカレー屋なのか? 店長の松原さんに話を聞いてみた。
「地場産業を支援するため、地方の特産品を扱っていこうという目的で日本各地のレトルトカレーを出すことにしました。それらをためしてもらうという意味で、おためし屋です」
お店で作るんじゃなくてレトルトだったのか……。それにしてもレトルトカレーで地方の活性化とは。

ご当地レトルトカレーは全国でおよそ300種類あるそうで、松原さんらスタッフが(うんざりするほど)試食し選りすぐったカレーが、ここでは17種類ほど提供される。
山形の黒毛和牛のカレー、宮島の牡蠣カレー、小豆島のオリーブカレー、沖縄のソーキカレーなど、地方の特色が活かされたカレーの数々。
「戦国カレー 毛利元就の陣」なんて、歴女の喜びそうなカレーまである。テーブルに置かれたレトルトの空き箱や壁に掛けられたパッケージを見て選ぶのも楽しい。

1番人気の黒毛和牛極とろカレーはこの日は完売していたので、2番人気の「秋田桃豚カレー(ご飯付きで700円)」を注文してみる。
運ばれてきたカレーは、当たり前だがお店で出されるカレーと何ら変わりない。味はどうか。実はレトルトだと思って期待していなかったのだが……うーん、味に深みがあって非常に美味しい。
ゴロンとした大きなお肉がとろけるように柔らかい! 実は温め方がよかったりして?
「パッケージに書かれてる通りに温めただけですよ」
そりゃそうだ。唯一のこだわり(?)は堅めに炊かれたご飯で、カレーによく合っている。

今は新業態のカレー屋ではあるが、今後は期間限定オーナーを募集して地方のアンテナショップや飲食店などを本格的に開業する前の期間限定ショップとして「おためし」できるという企画も。どんなお店になってもいいようにと、あえてカレー屋らしくない店構えにしたのだとか。次は何を「おためし」できるか楽しみである。
(いなっち)