以前、「お風呂の水、何日間なら替えなくても平気か」という記事を書いたが、その後、引越をして1年。新たな住まいで悩み続けていることがある。


それは、ユニットバスにどっち向きに入るのかということ。横長のユニットバスは、右向きにも左向きにも入れる。「どっちでもいいじゃん!」と言われそうだが、物は正しい使い方をしてこそ快適。知らないと損することって実は多い。

友人達に聞いてみると、蛇口や排水口(いわゆる「ポッチ」)のある方を足側に、という意見が多かった。蛇口で背中をガリガリっと擦ると痛いからだ。
他には、シャワーが急に出たときに備えてシャワーと反対向きに入るという意見、インターホンが見えるように入るという意見など。「全く気にしていない」のはひとりだけで、ほぼ全員が、いつも同じ方向を向いて入っていることも分かった。

株式会社INAXに聞いた。
「一般的には、入浴した時にお尻の下に浴槽の排水口がこないように、排水口の位置が足側になるように設計しています。一般的に排水口は配管上、シャワーや蛇口が付いている方にありますので、『蛇口のある方を足側に』は結果的には正しいかと思います」

大方の意見は正解だったようだ。とここで、うちの浴槽を見てみた、排水口が浴槽左右の真ん中に付いているではないか。
浴槽には蛇口も付いてない。こういう場合はどうすればよいのか。壁に斜めの手摺が付いているが、これが何かのヒントになるのか……パナソニック電工株式会社に聞いた。

「追い炊き機能がある場合、お湯が出てきて熱いですから、そちらを足側にするイメージです。手摺が斜めに付いている場合は、立ち上がりやすいように手摺の低い方を背中にします。しかし最近は、手摺は水平に付けることが多いのです」
なるほど。
手摺を水平にするのは、どうしてだろうか。
「追い炊き機能を使っていなければ、どちら向きにも入れるわけです。親子で一緒に入る場合などを考えています」

旧タイプの浴槽は、蛇口やポッチに足を向けるのが正解。でも最近の浴槽は、一応、向きがあるものの、親子一緒に入ることなどを考えて、どっち向きに入ってもいいようになってきている。どうやら、こういうことのようだ。

こうして問題は解決。
筆者はおよそ1年間、反対向きに浴槽に浸かっていたのだ。改めて正しい向きに入り直してみると、いつもと違った雰囲気が新鮮だった。
(R&S)