今年の夏は全国的に猛暑で、連日うだるような暑さが続いているのだが、最近私はあることに気がついた。
そういえば去年より蚊に刺されていないのだ。


蚊に刺されやすい体質なのか、子供の頃から夏になると体中蚊に刺されまくっていた私だが、今年はごくたまにしか蚊に刺されていない。蚊が飛んでいる姿も、あのぶーんと いう不快な羽音もあまり聞かれない。もしかして、この異常な猛暑で蚊が減ったのか? 蚊の幼虫ボウフラが発生する水たまりが暑さで干上がり、羽化する前に死んでしまったのではないか?

有限会社モストップ取締役で害虫防除技術研究所の所長である白井良和 さんに聞いてみた。
「はい、事実です。猛暑だけで降水量が少ないと、干上がるだけですので、 幼虫が死にます」

でも東南アジアなど年中暑い国では気温に関係なく蚊は発生しているが……。
「降水量があるんでしょうね。暑くても通り雨が多いと、蚊にとっては良い気候です」
なるほど。通り雨が少ないから繁殖できないのか。では蚊も人間みたいに夏バテすることはある?
「チカイエカは典型的に暑さに弱いです。 夏バテという、難しい話ではありませんが、単純に高温すぎると死にます」
高温すぎると死ぬなんて……暑さに強いイメージがあったのだが。
「種類によります。ヒトスジシマカは暑くても平気で、30℃前後で活発です。
アカイエカなどは25℃前後でしょうか」

でも涼しくなると蚊を見かけなくなるので、寒さにも弱そうだが。
「これも種類によります。大ざっぱに言って10℃くらいまでですが、 アカイエカやコガタイエカなどは成虫越冬しますので、5℃くらいでも大丈夫です。 オオクロヤブカ幼虫は越冬しますので、これも0℃前後の水で 生きています。フタクロホシチビカ幼虫も、真冬の屋外で見ます。 ヒトスジシマカは卵で越冬です」
寒さに強い蚊もいるとは! 世の中色んな蚊がいるものだ。

蚊についてもっと詳しく知りたい方には害虫防除技術研究所のウェブサイトをご覧あれ。蚊に関する情報が満載で、非常に興味深い。読むだけで痒くなりそうなブログ「蚊と闘います蚊」もぜひ。

蚊が少ない今年の夏は、私のような蚊に刺されやすい人間には案外過ごしやすいのかも?
(いなっち)
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