アジェンダ、シナジー、フロス、アグリゲーション、イノベーション、ビジネススキーム。なにそれ? なんで、そんな聞きかじったばっかりみたいなカタカナの新語を使うの君は!? なんか言ったふうにみせたいだけでしょ! ぷんぷん。

と怒っていてもしょうがない。ほんとうにたくさーんのカタカナ語が氾濫しています。
どうして、こんなにみんなカタカナ語を使うようになったのでしょうか?
ちょっと検証してみましょう。カタカナ新語を使う理由を3つ!


【1:日本語だとちょっとストレートすぎて恥ずかしいとき】

情熱を燃やしてやろう!とか言うのは、ちょっとストレートで恥ずかしい。中二の文化祭の準備中に言うとしても、ちょっと冗談半分本気半分ぐらいじゃないと恥ずかしくて言えないでしょう。そこでカタカナ新語の登場です。
「協力してがんばりましょう!」も「シナジー効果を狙えますよ」と言えば野暮ったくありません。


【2:すでに形骸化してグズグズなので言葉を換えてリフレッシュさせるとき】

「会議する前には、ちゃんと会議資料を作りなさい」と口をすっぱくしてもダメ。作ったかと思えば、日付も、会議目的も書いてないようなしろもの。とほほ……。
そんなときはカタカナ新語を使ってリフレッシュ。「アジェンダ、作ったかね?」「え、アジェンダって何ですか?」「アジェンダというのはだね……」あとは、会議資料の書き方をていねいに教えてあげればOK。

なんとなくアジェンダとかカッコいい名前にしておけば、ひとまず若者もがんばって書いてくれます。
「アジェンダ書いて」が通用しなくなったら、また言い換えれば良し。
「ミーティングサバイブ、作ったかね?」「え、ミーティングサバイブ?」「ミーティングサバイブというのはだね……」


【3:内輪意識を高めたいときに】

内輪が盛り上がるには、外部を排除するのが、簡単で最短の方法。とにかく新しくて、一部にしか伝わらないカタカナ新語を使えば身内意識が高まります。
「おれたちカタカナ・クラスタだぜ」というノリです。
このときのコツは、文脈でなんとなく意味が伝わるようにすること。そうしないと内輪の人どうしで何を言ってるのかわからなくなって、馬鹿の会話になってしまいます。
「ちょっとやりすぎちゃいましたかね?」
「まあ、バブルとは言わないまでも、フロス気味だったよね」
「(フロス?)そうでしたね……」
「まあ、相手に伝えるにはフロスになってるぐらいがいいときもあるから」
「はい。気をつけて、バブルにならないようフロスしていくようにします」


それ以外にも、口が気持ちいい、難しい漢字を使わないでいい、知ったかぶりできる、など、カタカナ語にはさまざまな効果があります。
ぜひ、カタカナ語を上手に使ってカッコヨサゲーションなライフをエンジョイしてください。(米光一成)
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