昔からおなじみの缶入りキャンディー「サクマ式ドロップス」。

色とりどりの見た目、缶を振ったときのカランカランという音など、味だけでなく、目にも耳にも楽しい定番キャンディーだ。

さらに、缶を振って何味が出てくるかという、ささやかな「ギャンブル性」も楽しみだった。

だが、そんな中でも、記憶にある風景では、どうしてもいつも白いハッカ味ばかりが残ってしまっていた。
友人・知人に聞いても、「ハッカ味だけ残った」という人は多く、なかには「ハッカをとるとハズレだと思った」「レモンをとろうとして、間違えてハッカをとってしまったときが悲しかった」などと言う人もいる。
にもかかわらず、驚くのは、最近、小学生の我が子や友人たち、友人の子などを見ていると、ハッカ味をすすんで選ぶ子が多いこと。

さらには、1つの缶から、みんながハッカ味を奪い合って取り出す姿を見ることもある。
いつの間にかハッカ味が子どもに人気になっているのだろうか。


考えられる理由をいくつか挙げてみると……。

○今の子どもたちは、昔のように「定番フルーツ味」にあまり盛り上がらない/オレンジジュースを飲みたがる子は少なく(コネタ既出)、かき氷でも定番「イチゴ」より「ブルーハワイ」「レモン」を注文する子を多く見る。

○今の子どもたちは、「ミント味」に慣れている/キシリトールガムなどを小さい頃から噛んでいる子は多く、フリスクなども涼しい顔で食べる。「のど飴」の多様化の影響も?

○昔よりも「甘いモノ」憧れがなくなっている/「さっぱりするから」などという理由で、ジュースよりお茶を好んで飲む子も多い(親の教育などもあるのだろうけれど)。また、健康志向の高まりで「甘さ控えめ」商品が増え、「甘くない味」にも慣れている。

では、実際にハッカ味の人気は高まっているのだろうか。

「サクマ式ドロップス」の製造販売元・佐久間製菓に聞いた。
「ハッカ味が最後に残るイメージがあるというお話ですが、もともと自分などは子どもの頃からハッカ味が好きでしたよ。ハッカ味が大好きな人がいて、その一方で、嫌いな人もいる。ハッカ味の人気が最近になって高まったというよりは、もともといちばん好き嫌いがはっきりと分かれる味なのだと思います」(広報担当者)

「ハッカ味が苦手」という人がいる一方で、「ハッカ味がいちばん好き」という人もいる。そんな要望を受け、14~15年前からはハッカ味のみの「サクマ式ハッカドロップス」も登場している。

ちなみに、現在のベーシックな「サクマ式ドロップス」はオレンジ、アップル、イチゴ、パイナップル、レモン、ぶどう、チョコ、ハッカの8種類だが、割合は?
「昔はハッカとチョコが少なめでした。
でも、現在は、種類配合において均一にしております。機械でやっているので正確ではありませんが……」

かつては少ししか入っていなかったハッカ味が、今は均等な割合で入るまでになった。にもかかわらず、子どもたちの間で奪い合いになっているのは、ハッカを「外れ」と思っていた自分などにとっては改めて驚くべき事実。

皆さんはハッカ味が好きでしたか。
(田幸和歌子)