ゾンビ肉ジャーキーってどうなんですかね」とエキサイトレビューのライターさん二人からほぼ同時に話を振られた。「見た目のわりに普通においしいみたいですけど、ゾンビ的にはどうなんでしょう?」

そこまでいわれて試さないではゾンビ愛好家の名がすたる。
アマゾンで調べるとカテゴリがおもちゃなのが少し気になったが、迷わず三つ買った。夜中に思い立ったのでネットで注文したが、ヴィレッジ・ヴァンガードや東急ハンズの一部店舗でも売っているらしい。

二日後に届いた。白眼を向いて血を流す顔色の悪いアフロのゾンビがうなり声を上げているイラストに、どろっと溶けた青い文字で「ゾンビ肉ジャーキー」とある。ホンモノだ!スーパーで売ってたビーフジャーキーの包装は手が切れそうに硬質なプラスチックだが、ゾンビ肉ジャーキーはもっと薄くて柔かくて確かにおもちゃっぽい。期待と不安を高めつつ、封を開けて逆さにすると、やや小振りなかたまりがころがり出てきて、同時に粉が散る。

青い。

前もって聞いてたいたが、実際に見るとやはりインパクトがある。ブルーハワイブルーレイ「アバター」の人達、青にはどこか未来っぽいイメージがあるが、青い肉を見ると理由が分かる。不自然だからだ。ただ、くさった肉というよりも内側からみなぎるように青々としていて、ゾンビの肉にしては元気いっぱいすぎるのではないか?と思った。

一切れをつまみあげる。
特におかしな臭いはしなかったのでそのまま噛みついた。あれ? ビーフジャーキーなのに、柔らかい。そして少ししっとりしている。普通のビーフジャーキーがミイラだとしたら、確かに半分生きてるような食感。理解できた。みかけではなく、食感こそがゾンビなのか! さらに噛み締める。胡椒が効いていて普通においしい。これも聞いたとおり。

ジョークグッズとしてはもっとボーダーラインな味を期待する人もいるかもしれない。「なんだ、普通においしいな」とか言われそう。その場合は「ところで『サバイバル・オブ・ザ・デッド』って映画で観たけど、ゾンビを食べた人もゾンビになるんだって」などとフォローを入れて、名前に似合った後味を残してもらうようにしたい。(tk_zombie)
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