◆鈴木みそさん @MisoSuzuki
「ゲゲゲ」はフォローしている漫画家の先生たちが、ツイッターで話題にしていたので気になった。
漫画家を主人公にしたドラマは今までもあったけど、後ろの本棚の漫画資料や、手元の絵を描くシーン、消しゴム等、とても丁寧に作られていてプロがみんなで見ていても破綻のない出来。アシのすがちゃんが生原稿をぐしゃっと持つシーンは「ああ!」とみんなで突っ込んだw。ゲゲゲの魅力は水木先生の人柄なのかな。ぶれない飄々としたキャラクターがちゃんと伝わってきた。ドラマのテクニックとしても、子供ができたシーン、死んでしまうシーン、パターン化しているようでいてちょっと崩す演出が好きだった。がくっと死なない。一番よかったのは朝ちゃんと起きる習慣が付いたことでした。
(すずきみそ/『限界集落温泉2』、『銭』(全7巻)など)
◆藤生さん @_fujio
"ゲゲ女"は自分にとっては、生まれてはじめて一話もかかさず視聴したテレビドラマです。水木先生と布枝さんのお二人がまだまだお若く、お元気でいらっしゃる今この時にこのドラマが製作、放送されたことを本当に嬉しく思います。
水木先生のファンであることはもちろん、昭和の時代にご活躍された漫画家さん、また、その時代から現在も変わらずご活躍中の漫画家さんたちに強い憧れを持っているので、"ゲゲ女"は放送開始前から絶対観ようととても楽しみにしていました。
まもなくこの"ドラマ"に夢中になった理由はたくさんありますが、自分がもっとも惹かれたと思えるのは、戦後の時代背景と、その時代に生きる水木先生ご夫妻をはじめ全ての登場人物たちが実に魅力的だった点だと思います。
漫画家の妻・布美枝さん、夫・茂氏の挫折と成功、それを取り巻く家族や周囲の人々の想い、実在の人物、架空の人物、その中間の人物、事実を元にしたエピソード、脚色を加えたエピソード、フィクション、"ゲゲ女"はこれらのバランスと演出が実に絶妙で、それがドラマとしてとても良い方向に大きな化学変化を起こしたと思います。
私は水木しげる先生の作品のみならず、ご本人の大ファンでもあります。はじめに謝ってしまいますが、私の場合、それは先生に対する「愛情」と「萌え」に他なりません。それは人様から見たら少々いびつな愛で、誤解を受けることもあるかもしれませんが、"ゲゲ女"がノンフィクションとフィクションの間に存在してくれたお陰で、私の想いもノンフィクションとフィクションの間で、こっそり遊びながら表現できました。
"ゲゲ女"を元に絵を描くことは、とても楽しく、幸せでした。
それをみて、twitterで一緒に楽しんでくださる方々も少なからずいてくださったことに感謝します。
水木先生ご夫妻と関係者の皆さま、ドラマ製作に携わった全ての方々に心から敬意を表します。
「なんだ、もう終わりか。ああ、面白かったなあ」
と、TV画面をみながらイトツ氏の最期のセリフをものまねして迎えた"ゲゲ女"最終回でした。
(ふじお/『ルキン・フォー・マイ ファンタジスタ』など)
◆猪熊しのぶさん @shinobu_inokuma
私は、終了1週間前にぶっ通しで25週分観たにわかファンですが、しっかりはまりました。とにかく製作現場の描写がリアルで感情移入しっぱなし。
(いのくましのぶ/『雪月記』(最新2巻、以下続刊)『ダグションマン』(最新2巻、以下続刊)など)
◆青木俊直さん @aoki818(1/2に続き再登場!)
ゲゲゲ絵アイコン祭についてちょっこし書き足りないことがあったので。
私のまわりに関していえば、最終週に突然ゲゲゲ絵アイコン祭で「ゲゲゲの女房」が盛り上がったわけではないのです。
私のツイッターのタイムライン上の多くの漫画家さんたちがそれまでも「ゲゲゲの女房」を愛するがゆえにその日のエピソードやそれを元にした題材を自発的に絵にしてはアップしてツイッターで紹介していました。
その日の番組の感想を互いに述べ合うのみならずその時々の自分たちの絵を見せ合うことは何か放課後の教室のようなあるいは漫研の部活のような楽しさがありました。
私などは「わ!絵がうまい」とか「お、こんなネタで描いたのか!」など日々アップされる絵を見ながら一方的にライバル心を燃やし(笑)絵を描く刺激を受け、またおかげで「ゲゲゲの女房」をより楽しむことができました。
皆さんがそうして描いた「ゲゲゲの女房」絵を誰となく「ゲゲ絵」と読んでいたのですが、その中でも特に井上正治さんの「ゲゲ絵」は質、量、共に圧倒的でした。
ただうまいだけではなく、番組に対しての愛にあふれた真摯なその絵はいつの間にが番組見たあとで井上さんの絵を見ないとその日の「ゲゲゲの女房」をちゃんと見終えた気がしないほどにまでになっていました。彼の描く「ゲゲ絵」に刺激されたほかのマンガ家さんたちの「ゲゲ絵」への参加とその盛り上がりがそのまま最終週のゲゲゲ絵アイコン祭につながっていったのだと私は思っています。
今回のこの盛り上がりは誰かが旗を振って「やろう」といったものではありません。タイムライン上のお互いが同調し協調しそれがまたリツイートで拡散されてひろがって……というツイッターらしい(かどうかわかりませんが)盛り上がり方をしたと思います。
思えば今年頭ぐらいより急に漫画家さんの間に広がったツイッター、そんなタイミングで「漫画家の女房」が主人公の連続テレビドラマが始まった、というのも何かの運命かもしれませんね(笑)。
あと最後に。ボクのゲゲ絵アイコン祭には漫画家さん以外も多く参加されてます。ゲゲゲの女房を愛した気持ちは皆さん一緒なので。
◆井上正治さん @inouemasahal
「週刊少年マガジン」の大先輩で、同じ調布市在住の水木先生と奥様がモデルということで放送開始前からドラマを楽しみにしてました。
ゲゲ絵を始めたのはTwitterで青木俊直先生の落書きを見て「面白い!」と思ったのと、デジタルコミックの練習のつもりだったのですが、いつの間にか筆ペンで描くようになってました。とにかくこのドラマは登場人物がみな魅力的で、何よりも脚本が素晴らしくセリフの面白さ、キレの良さに自分も単なる似顔絵では満足できなくなっていました。ゲゲ絵を描き続けたおかげで大勢の漫画家さんと知り合えて楽しいことばかりでした。
もしかしたら「人を幸せにする妖怪」が取り憑いてたのかもしれません。「見えんけどおる」水木マジックですね。
(いのうえまさはる/『マラソンマン』(全19巻)『POLICEMAN』(全9巻)など)
(島影真奈美)