「LA-MULANA」(ラムラーナ)は、懐かしいテイストたっぷりのゲームだ。
制作者たちがMSX(むかし、そういうゲームパソコンがあったらしいんですよ!)大好きなので、そのころのゲーム愛をたっぷり注ぎ込んでいるのだ。

MSXをさわったことがない俺でも大丈夫かなあと思い、ゲーム画面を見てみたら2Dアクション!
「ロックマン」や「グーニーズ」で育ってきた俺にはむしろ大好物だ!

PC用フリーソフトとして作られたゲームが評判となり、今回リメイク版がWiiウェアで配信されることが決定。
制作者自身が電子書籍としてゲームの攻略本を出すということで、電子書籍の第一人者、エキサイトレビューライターの米光一成さんにお話を聞いて欲しいとの依頼が来たのだ。

今回は、ガジェット通信さんとの共同取材ということで、場所は未来検索ブラジル。
さっそくNIGORO代表の楢村匠さんにお話を伺ってみよう。

楢村 今回はゲームだけでなく、攻略本も電子出版として自分たちで出してみようという話が進みまして、電子書籍といえば米光さんだ! ということで連絡をさせてもらったんです。
米光 (PC版LA-MULANAの画面を見ながら)それより、これ、すげぇですよ! 16色制限? 敵スプライト1枚ですね。わあ、MSX風にこだわりぬいてる。これをフリーソフトで?
楢村 元々はサークルの仲間たちと、趣味でゲームを作っていたんです。
米光 いつごろから?
楢村 もう10年くらい前ですね。チマチマ作っていたので1本作るのに5年もかかっていたんですよ。
米光 それは本業の合間に制作という感じで。
楢村 はい、出来たゲームを公開したら、いろいろなところから評価をいただいて、ちょうどそのとき本業の仕事の方が煮詰まっていまして。

米光 もう、そっちの仕事はいいやって?
楢村 これだけゲームを作る技術があるんだったら、商売に出来るんじゃないかと思ったんです。ダウンロードでゲームの販売というものが現実的に見えていた時期だったので。思い切ってNIGOROという会社を立ち上げたんです。
米光 どういった経緯でWiiウェアで販売することになったんですか?
楢村 うちのゲームは、日本より海外での評価が高いんです。熱狂的に応援してくれている人たちもたくさんいて、その中に、Nicalis, Inc. (ニカリス社)という、インディーズゲームをたくさんのユーザーに提供している会社の方がいまして、そこで話をいただいてWiiウェアで発売するということになったんです。
米光 そういう動きは海外のほうが活発ですよね。Wii版は、MSX風じゃないんですか? えええええ、裏切りですよ(笑)!
楢村 いや、プレイしてもらえると、スピリッツはしっかりMSXだとわかりますから。
米光 ほんとですか?
楢村 あのころの2Dゲームがずっと続いてきて、あのまま進化したらこうなるだろうな、という想定のもとでWiiウェア版LA-MULANAを作っているんですよ。

その後MXSのソフトの話で盛り上がる中、完全に置いてかれる俺。
そしてメインの電子書籍の話へと進んでいく。

米光 どのよう形で攻略本を出すんですか?
楢村 まず上下巻にわけようと思っているんです。上巻は初めてこのゲームをさわる人のための本。

米光 説明書のような。
楢村 それに近いですね。これは無料で配布をします。下巻はガッツリとした攻略情報と、開発の裏話的な話を載せて行こうと思っています。
米光 あー、それいいですね。ファンブック的で。
楢村 昔の、読み物としても成り立っていたような攻略本を出したいと思ったんです。
米光 攻略本の販売はどういう形で行うんですか?
楢村 米光さんがやられているようにフリマを開いて自分たちで売るというのも考えたんですけど、日本だけじゃなくて海外でも売っていかないとダメなんですよね(笑)。
米光 電子書籍フリマは、PC一台でできるから、担当者が海外にひとりいればできますよ。
楢村 なるほど! 僕たちは人と直に触れ合って販売するほうが楽しいと思っているんですよ。電子書籍フリマの存在を知って、すごく面白いことをやっている人がいるなあとずっと思っていて、今回米光さんとこうやってご縁を頂いたので、一緒に何かできたら嬉しいです。
米光 やりましょうよ。
テーマ縛りの電子書籍フリマをやりたいんですよ。今までは小説もあれば漫画もあるし、ジャンルが様々だってところがおもしろかったけど、そうじゃないおもしろさもある。僕もゲーム畑の人間なので、「電子書籍@ゲーム」とか、いいですよね。
楢村 それはぜひ、ご一緒させてもらいたいです。
米光 ゲームが好きな人が集まって、そこで電子書籍も交換されているってのは、いいなー。

途中ゲーム実況の話も出て、楢村さんも喋りながらゲームをプレイしてみたことがあるそうだ。「電子書籍@ゲーム」が開催されることがあれば、ゲーム実況者として、俺も何らかの形で参加できたら楽しいだろうな。
楢村さんも巻き込んで、みんなで「LA-MULANA」を実況プレイしてもいいかもしれないなあ。(加藤レイズナ)

タイトル:LA-MULANA(ラムラーナ)
ジャンル:遺跡探検考古学アクションゲーム
配信日:2010年
価格;未定
CERO / ESRB:RP
プレイ人数:1人
クラッシックコントローラー推奨
Wii・Wiiウェアは任天堂株式会社の商標です。
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