ルーツ『自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで、今日の出来事を4コマにする。』
大変腹立たしいマンガです。

『自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで、今日の出来事を4コマにする。』が腹立たしい
タイトルが長い。

「4コマにする」っていってるのに3コママンガしかない。
まあ、それはささいなことです。いいよ別に。ぼく心広いし。

作者ルーツ(男性)の日常を、3コマで描くマンガです。
例。まずは男性の姿でイメージしてください。
 
1コマめ:「しっこしっこ、もれるもれる」といって、椅子から立ち上がる作者。
2コマめ:アイロンのコードに引っかかって転びそうになる「おわっ」となる。
3コマめ:転ぶ「ってーなくそが!!」と叫ぶ。
4コマめ:おわり(文字だけ)

面白くもなんともない。「あるある」ネタにしても微妙すぎる。

作者は、この日常を「ツインテールのかわいい女の子」に置き換えていきます。
女の子でイメージしてください。

1コマめ:ちょっとけだるそうに、ツインテール少女が「もれるもれる」といすから立ち上がる。ちょっと内股気味で冷や汗をかいている。
2コマめ:コードに足を引っ掛ける少女。驚いて、全身がビクッとしている。反射的に、手のひらを大きく開いている。
3コマめ:つまづいた彼女。すごい苛立ちと痛みに耐えて、涙目になっている。
4コマめ:おわり
 
小動物がちょこまか走り回っているかのよう。
2コマ目で、ツインテールが驚きと同時に横に広がる。
かわいい。

そう感じる自分に、腹が立って、ならない。

「女体化」マンガではありません(立ちションしてるし)。
記号化実験マンガです。
 
初音ミクとか、「けいおん!」の中野梓とか、「キルミーベイベー」のソーニャとか。
数多くのオタク系コンテンツに「ツインテールキャラ」は、いて当たり前になりました。
今は『俺、ツインテールになります。』というアニメがあるほどです。

実際にツインテールにしている女性は、あまり見かけません。
ましてや、アニメに多い「金髪ツインテール」の女性なんて、日本にはほぼいません。

ツインテールは大きくなびくため、動きを表現しやすいパーツ。
元気な子がツインテール、という作品は多いです。

大人はしないので、幼さが強調される髪型でもあります。

派手なので、自己主張が強いキャラに使われることも多い。
ここから転じて、ツインテールのキャラは「ちょっと気が強い」→「ツンデレが多い」という流れができやすい。

元々は「かわいいキャラクター」を表現するためのパーツだった、ツインテール。
あちこちで使われていくうちにひとり歩きし始め、「ツインテールがかわいい」になりました。
パーツだけで、過去の何らかのキャラや属性を、連想してしまう。

最終的には、まるに2つツインテール的なのを垂らした記号で、「かわいい」と感じさせるまでになったのが今。
日本ツインテール化計画のロゴは、その顕著たるものでしょう。
『自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで、今日の出来事を4コマにする。』が腹立たしい
日本ツインテール協会のロゴマーク。単純化された記号で「かわいい」を表現している。

日本ツインテール協会のロゴマーク。単純化された記号で「かわいい」を表現している。

記号で「かわいい」は表現できる。
ならば、ツインテール少女にするだけで、中身は男でも「かわいい」は成立しうるのではないか。

例えば、風呂で男がけつ毛をそるとします。

見たくもないですね。
ところがツインテールの少女に置き換えてけつをそると、二本の髪の毛が下に垂れる。
そのツインテールアピールはずるい。
しかも「赤ちゃんのおしりみたいにスベスベだー」とか言う。
にやけてしまう。

いつの間にかツインテールを見て、「元気な子なんだろうな」「たまにいらだっているのはツンデレだからなんだろうな」と連想してしまっている。
違うのに。
ぼくは、ルーツの作った記号に、してやられたのだ。

「萌えたら負け……萌えたら負け……」と思いながら読み進めてください。
どこかで「あれ、かわいいんじゃない?」とスイッチ入ってしまう。
これは作者からの挑戦状です。

なぜか自分でアニメ化してますし。

いい加減にしろよ。やめろよ。
かわいいじゃねえか!

おわり

ルーツ『自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで、今日の出来事を4コマにする。』

(たまごまご)
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