◆プロボクシング ▽WBOアジアパシフィック・フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 ●王者・藤田健児(7回TKO)同級9位・武藤涼太〇(6日、東京・後楽園ホール)

 WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチで、挑戦者の同級9位・武藤涼太(21)=松田=が5度目の防衛に挑んだ王者・藤田健児(32)=帝拳=を7回2分13秒TKOで下し、新王者に輝いた。WBO世界同級1位にもランクされる藤田は、5度目の防衛に失敗。

武藤は松田ジム初のWBOアジアパシフィック王者となった。

 戦績は武藤が10勝(6KO)1敗1分け、藤田が10勝(5KO)1敗。

 サウスポー同士の一戦。21歳の挑戦者は、初回から11歳上の王者に対しプレスをかけ、強打を浴びせた。接近戦で強打を上下に打ち分け、3回には左フックで何度もぐらつかせ、終了間際に右ストレートでロープへ吹っ飛ばした。7回、左ストレートから連打をまとめたところでレフェリーが割って入り試合を止めた。

 新王者は、昨年8月に後楽園ホールで行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ後に亡くなった神足茂利さん(享年28)の写真を手にした兄・神足昌冶トレーナーと抱き合って歓喜の涙を流した。

 若き王者は「1ラウンドの最初から行く、逃げられても行く、というつもりだった。体が突っ込んじゃうと相手の思い通りになるので、そこは気をつけながら、相打ち上等でずっと狙っていた」と初回から仕掛けていく作戦だったことを明かした。

 4回ぐらいから、藤田のパンチの威力が落ちていることを感じていた。「徐々に手だけで打っている感じがした。どんどん落ちていってるなと思って、そこでもう決心がつきました」と振り返った。

 スーパーバンタム級で日本ユース王座を保持するが、フェザー級では試合直前にWBOアジアパシフィック9位にランクされたばかり。しかし、世界ランク1位を撃破したことで、世界上位ランク進出は確実だ。「本当に勝つことだけを考えていたので、ランキングのことは今はそこまで考えていない。チャンピオンになっても、まだ自分がずっと守れる実力かと言われたら正直そうでもないと思う。だからこそ、次にどんな試合が決まってもいいように、自分がそこ(世界上位ランク)のレベルに行けるように、また日々練習を重ねてレベルアップできたらなと思います」。来年にも世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33)=大橋=が転向する可能性があるフェザー級に、21歳の新星が誕生した。

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