ふと思いもよらない表情を見せたり、驚くほど伸びやかな動きを見せたり……。子どもの動きや表情は、日々変化し、常に大人の想像を軽く超えてくるもの。
そんな「赤ちゃん」「子ども」にしぼった“ポーズ集”が発売された。
『ヒューマン・モーションI 赤ん坊・幼児・少年少女』(丹治匠・著/小野寺廣信・写真/グラフィック社刊)だ。
登場するのは、「0歳男の子・2歳男の子・3歳男の子・4歳男の子・6歳女の子・9歳男の子・9歳女の子・12歳男の子・12歳女の子」。
それぞれ頭と首の構造、表情、目、鼻、口、耳足のディテールから、歩き・走り、衣服の着脱まで事細かに収録されているのだが、驚くのは、その「自然さ」である。
いったいなぜこの本を? 企画編集の百武佐保子さんに聞いた。
「もともと私はマンガの描き方やキャラクターデザインなどの本を出していたんですが、イラストレーターの方やマンガ家さん、造形作家の方などが身の周りに多く、イラストやマンガ・造形作品には子どもがモチーフのものが多いのに、資料がないよね……という話になったんです」
今は法律が厳しく、公園などで子どもを勝手に撮影するわけにはいかない。また、小学校にカメラを向けることもできない。子どもを撮影するのはかなり難しい状況だ。
「かといって、子どもモデルは画一化されていて、自然な演技ができないということがあり、丹治匠さんにご相談したところ、『ポーズ集の監修をしても良い』と言っていただいたんですよ」
丹治匠さんは、『隠し砦の三悪人』や『西遊記』などのキャラクターデザイン・アートディレクターとして知られるほか、私も大好きな新海誠監督のアニメーション作品『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』に美術監督として参加している方だ。
それにしても、子どもたちの表情・動きの自然さは見事だが、ポーズ決めや撮影はどのように行ったのだろうか。
「丹治さんがポーズを決め、実際の撮影現場でも、丹治さんがカメラに写らない・見えない場所で、子どもたちと一緒になって遊んでいました(笑)。また、カメラマンの後ろに子どもの母親・父親がいたり、きょうだいで来てもらって、動いてもらったりしたので、自然な表情が引き出せたのだと思います。
ところで、この本、評判などは?
「想定外の読者もいっぱいいらっしゃるようですが、マンガ家の古屋兎丸さんや造形作家の竹谷隆之さんなどに絶賛していただいたり、新海誠監督にツイッターでご紹介いただいくなど、クリエーターの方にも高い評価をいただいています」
イラストやマンガを描く人も、そうでない人も、きっと衝撃を受ける一冊です。
(田幸和歌子)
そんな「赤ちゃん」「子ども」にしぼった“ポーズ集”が発売された。
『ヒューマン・モーションI 赤ん坊・幼児・少年少女』(丹治匠・著/小野寺廣信・写真/グラフィック社刊)だ。
登場するのは、「0歳男の子・2歳男の子・3歳男の子・4歳男の子・6歳女の子・9歳男の子・9歳女の子・12歳男の子・12歳女の子」。
それぞれ頭と首の構造、表情、目、鼻、口、耳足のディテールから、歩き・走り、衣服の着脱まで事細かに収録されているのだが、驚くのは、その「自然さ」である。
いったいなぜこの本を? 企画編集の百武佐保子さんに聞いた。
「もともと私はマンガの描き方やキャラクターデザインなどの本を出していたんですが、イラストレーターの方やマンガ家さん、造形作家の方などが身の周りに多く、イラストやマンガ・造形作品には子どもがモチーフのものが多いのに、資料がないよね……という話になったんです」
今は法律が厳しく、公園などで子どもを勝手に撮影するわけにはいかない。また、小学校にカメラを向けることもできない。子どもを撮影するのはかなり難しい状況だ。
「かといって、子どもモデルは画一化されていて、自然な演技ができないということがあり、丹治匠さんにご相談したところ、『ポーズ集の監修をしても良い』と言っていただいたんですよ」
丹治匠さんは、『隠し砦の三悪人』や『西遊記』などのキャラクターデザイン・アートディレクターとして知られるほか、私も大好きな新海誠監督のアニメーション作品『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』に美術監督として参加している方だ。
それにしても、子どもたちの表情・動きの自然さは見事だが、ポーズ決めや撮影はどのように行ったのだろうか。
「丹治さんがポーズを決め、実際の撮影現場でも、丹治さんがカメラに写らない・見えない場所で、子どもたちと一緒になって遊んでいました(笑)。また、カメラマンの後ろに子どもの母親・父親がいたり、きょうだいで来てもらって、動いてもらったりしたので、自然な表情が引き出せたのだと思います。
フリー演技をしていますが、撮りたいポーズをしてもらうために、たとえばカラダがのびる演技では、高いところのボールをとってもらったりもしました」
ところで、この本、評判などは?
「想定外の読者もいっぱいいらっしゃるようですが、マンガ家の古屋兎丸さんや造形作家の竹谷隆之さんなどに絶賛していただいたり、新海誠監督にツイッターでご紹介いただいくなど、クリエーターの方にも高い評価をいただいています」
イラストやマンガを描く人も、そうでない人も、きっと衝撃を受ける一冊です。
(田幸和歌子)
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